死刑制度について考えるにあたって、
まずは世界各国がどういう対応なのかを知ることにした。
他国とは状況も違うし、
思想や宗教も違ういう意見も当然あるだろうけど、
ラッキーなことに日本は世界で一番犯罪率が低い。
だから他国の状況から判断すれば、
かなり幅を持ってジャッジできることになる。便利な点だ。
世界の動きについて。これは『緩やかな廃止の流れ』
が適当だと思う。
完全廃止国、戦争やテロにのみ適用、
死刑はあるが事実上判決は出ない国(10年以上死刑判決が
されていない国)をあわせると131。
世界の三分の二が死刑反対のスタンスだ。
残りの63カ国でも、数年死刑が執行されていない国が
10ほどある。よって栄えある死刑賛同国50に日本は
ノミネートしてるってことだ。。
事実の一つとして頭に入れてくれ。
次に前号でも書いた死刑執行を頑張っている国。
執行ベスト7だ。
北朝鮮・中国・イラン・パキスタン・イラク・スーダン・米国
なんとこの7カ国で死刑数の94%を占めているんだ。
治安が安定しない国ワースト7ってのは裏づけのない
印象だけど、少なくともこの7カ国にいい印象を持っている人は
世界でも少ないんじゃないか?
各国に共通して連想されるワードは、
やっぱり『WAR』や『KILL』だ。
これだけの銀河系軍団が顔を並べたのは、
偶然?・・・にしちゃ出来すぎだよな。
もういっちょ事実を。
日本において死刑は絞首刑で行われている。
要は首吊りね。電気ショック、銃殺などがメジャーだし、
おれは高校の時に教師から死刑は電気ショックで
一瞬で苦しみ無くされていると教わった気がするけど、
実際はかなり苦しい絞首刑だ。
理由は明かされていないけど、伝統という面もあるのでは?
という意見もあるらしい。
日本は昔から首に拘るから。
相手方の首を切り落として勲章としてた名残りだって。
(但し江戸時代は火あぶりや磔にしてのなぶり殺しなど)
以上の事実はあくまでデータ。
直接死刑制度どうこうに結びつくもんじゃないけど、
かといって見逃せない事実だから書いた。本番はここからだ。
DEATH
まずは死刑制度自体の効果についてだ。
おれが読んだ死刑賛成派の人のほとんどが
『死刑があることによって犯罪抑止になる』
と書いていたり、言っていた。
なるほど、と頷いちまいがちだけど、
びっくりすることにまずここから間違っていた。
実は、死刑制度による抑止力について、科学的証明、
つまり犯罪の明確な減少のデータは無いんだ。
(死刑執行国が廃止してから急激に増加したなんてのも無い)
逆に、カナダやオランダでは、死刑よりも、
本当の終身刑などの方が抑止力があるのではという
データも出ているそうだ。
※カナダで1935年に死刑を廃止したところ、
犯罪件数が減った。極刑はかなり厳しい環境での終身刑。
つまり、死刑が犯罪の抑止力になってるというのは、
ちょっと疑問符だってこと。
それに、メディアが必死に犯罪件数増加と煽るこの日本が、
何より死刑執行国じゃないか。
池田小事件の犯人が異例の短期間での死刑執行がされた
(発表されるのも異例)けど、少年少女を狙う犯罪は
減ったかい?つまりそういうことさ。。
DEATH
次によく見た理由。死刑制度によって再犯が防げる。
これはハナからおかしな理論だ。
そんなことを言ったら、エスや裏物ドラッグを決めたことが
あるやつは全員首吊りしていかなきゃならない。。
薬物系の再犯率は60%近いものもある。
ドラッグと殺人は一緒に出来ないって意見もあるだろうけど、
どうしておれたちが殺人の目方をジャッジ出来る?
親族を殺された遺族の苦しみは、そりゃ勿論想像できない
くらいひどいもんだと思う。赤の他人がどうこう言える代物
じゃない。だけどなぜ特定の殺人だけが取りざたされて、
これは死刑がふさわしい、これは違う言い放てる?
日本では殺人事件の被告の95%以上が死刑になんてなって
いないんだ。
光市の件はたまたま被害者遺族がメディアにピックアップ
されたけど、それ以外の事件だって同じように遺族は
苦しんでるんじゃないのか?5%の犯行だけが残忍で、
95%は死刑にするほどは残忍じゃないってのかい?
いや、殺人だけじゃないよ。
おれが中三の時に、かわいがってもらっていた
1歳年上の女の先輩がいた。
顔全てが基調のとれた主張をするパーツで構成されてて、
美の方程式に忠実に従って作られた完璧な美人。
おまけにグラビア誌から飛び出したようなでたらめなスタイルで、
彼女に好意を持つやつを数えるには計算機が必要だった。
その先輩がある日、大学生グループにレイプされた。
犯人は逮捕されたけど、彼女は目も当てられないくらい
傷ついていたし、何度も自殺未遂した。
リスカ、ガス、ハルシオン、首吊り、何度周りが止めても
スイサイドを止めなかった。
人格は変わり果てて、いつも一緒にいたおれにさえ
見えない壁を作るようになって、学校も行かなくなった。
結局今も引きこもっているらしい。
対して犯人の馬鹿達はとっくに出所してノウノウと元気に
生きてるよ。 どうだろう。彼女の苦しみは、
殺人で家族を殺された人より軽いから、
犯人は死刑にならないのは当然だと誰が決められる?
彼女はマスコミに取りざたされなかったから、
世論の後押しがなくて残念だねと肩が叩けるかい。
犯人の死を願う気持ちは、どんな事件被害の遺族だろうと、
あるんじゃないのかな。。
最高裁の天才裁判官だって死刑判決は難儀するのに、
誰が事件の重みを、人の命の目方を決められる?
もっと広くとっても同じことだ。
何の言われもなくリンチされて歩けなくなったら?
両親が唯一残した家を放火されたら?
家族の様に大切に思っていたペットをなぶり殺されたら?
死んだ恋人の形見を笑いながらぶっ壊されたら?
子供を目の前でひき殺されたら?
そんな時あんたは、犯人に死を望む可能性がゼロだと
言い切れるだろうか。
そしてそれは光市の事件に比べれば、
そこまで恨みの気持ちは出ないし、
残忍な犯行じゃないから死刑は相応しくないと言えるだろうか。
それとも犯罪は全て死刑にするかい?
過失致死だろうが、未必の故意だろうが、
殺人があったら遺族は苦しむし、
殺人以外でも見てるこっちが真っ青になっちまうくらい
涙の多い事件はごまんとある。
そしてその本当の苦しみは被害者本人にしかわからない。
酷なようだけど、遺族の感情を国の法に影響させること、
裁判の結果に影響させることはあってはならないんだ。
それが一例でも認められれば、ほとんどの犯罪を死刑判決
にしなくちゃならない。苦しみの重さの比較をする能力なんて、
人間には備わってないんだから。
DEATH
次に、忘れがちだけど大事な問題がある。
それは死刑執行官だ。
彼らは、人の命を奪うのが仕事だ。
相手が犯罪者とは言え、目の前で人の命を自らの手で絶つんだ。
彼らはすすんでやっていると思うかい。
仕事だから仕方ないじゃないかと突き放せるかい。
又聞きだけど、おれは執行官の人の話を聞いた。
(正確には、同期の人間が執行官になったという人に
話を聞いてもらった)
当然だけど、死刑執行官に志願してなる人間なんて
いないそうだ。。国からの命令でやっている。
手当ては少しばかり出るが、
命と金はどんだけやっても終わらないシーソーだ。
死刑執行してトラウマになる人間もいるそう。
人格が変わってしまうこともある。
彼らに、『仕事だから~』とか、『嫌ならやめればいい』と
言うかい? それとも
『国の為の職務だから、嫌がるなんて反日だ』
なんて誰かさんたちと同じ理論でいく?
そんなの反吐が出るだろう?
人間が人間の命を奪う。死刑だ。死刑にしろというのは
簡単だけど、実際に殺している人がいることは、
大きな問題じゃないだろうか。。。
命を奪う権利がある人間がいる。この恐ろしさが、
おれがこの1ヶ月で一番震えたこと。
DEATH
そして最大の問題。それは誤審、冤罪の可能性についてだ。
過去、世界中で死刑と判断された人が、
冤罪だと随分と後にわかっているそう。
いや、死刑だけじゃない、誤審、冤罪なんて人間が
携わっている以上、必ずあることだ。
だって、光市事件はたまたま検察側が世論の
後押しを受けてるけど、やつらに納得がいかないという
ケースだって死ぬほどあるだろう?
ダウンロードしただけで違法とかいう馬鹿な判決を
後押ししたのも、映画にもなった痴漢冤罪で人生の大事な
時期を無にされた男性の事件の際も、
検察は躍起になって有罪を主張をしてたんだ。
ダウンロードの件に至っては、どう見たって利権が
絡んでいると穿ってしまうのが普通だ。
これを殺人に当てはめてみるといい。
政府に都合の悪いことを言う人間がいて、
殺人事件の犯人に仕立て上げられたとしよう。
検察はDL規制同様、有罪と決めてかかり、
裁判長も真に受ける。
遺族は当然容疑者といえどもその人間を恨み、
メディアもその悲しみを全国に知らせるかもしれない。
そうなったら、被告人は死刑を言い渡されて、
何の罪もない人間が、早ければ判決1年後には殺されるんだ。。。
執行官に至っては無実の人間をその手で殺すことになる。
後で冤罪とわかった時、執行官は立ち直れないだろうし、
被告人の家族は怒り狂わないか?
その苦しみは確実にすさまじいに決まってるし、
その怒りの度合いに応じて、
今度は検察官や裁判官を死刑にするかい?
それともそんなことが起きてはまずいから、
冤罪発覚は国として隠蔽するかい?
それじゃさっきも言ったけど、誰かさん達と一緒だ。
許されるはずがない。
ややこしいし、歯がゆいけど、死刑制度ってのは、
ハナから矛盾だらけで、今の日本の様にポンポンと
簡単に出せるもんじゃない。おれはそう思う。。
DEATH
最後に冒頭でも触れた韓国について。
実は韓国は、先月、長年の議論の末に死刑を事実上
廃止したんだ。
10年ほど死刑判決自体は出ていなかったけど、
正式に死刑廃止が議会で可決された。
それに至る経緯は色々ありすぎるから別の機会に譲るけど、
決定的だったのはやっぱり冤罪の可能性だそうだ。。
日本でいう最高裁にあたる裁判長が参考質疑を受け、
冤罪の可能性はあるかと聞かれて、
『当然だ。証拠や背景、調書などが間違っている場合だってある』
と答えたことが、廃止の一番の後押しになったらしい。
(通訳を介してなので言い回しがちょっと違うかも)
ご存知韓国は色んな部分が日本に似ているし、
犯罪率も大体同じくらい。
むしろ韓国の方がやや高いくらいだ。
別に参考にしろとは言わないけど、
冒頭にも書いた死刑執行数が多い国、
アメリカ、イラク、北朝鮮、アフガン、中国などの仲間に、
あんたやおれの住む日本もあるんだ。
これだけでも充分おれは恐くなったよ。。
(イラク戦争に賛成してる国ばっかりだからね。
日本だって国民は違えども世界からは、
給油問題が上がるまでは、イラク戦争とアメリカのやり方に
大賛成だと思われていたんだ。)
日本よりも文明がやや遅れている韓国は、
見事なまでの銀河系軍団の類から、
日本よりも早く足を洗ったわけだ。
死刑賛同国の顔ぶれだけに、とても残念で悔しいのは
おれだけだろうか…。
~ あとがき ~
確かに普通に生活していたり、メディアで報じられる特定の
裁判のうわべだけを見ていると、死刑制度は必要で、
どんどん適用するべきだと思ってしまいます。
私もこの約1ヶ月くらいの猛勉強をする前は、
凶悪犯は一概に死刑にすればいい。
そうすれば犯罪は無くなるのではないかと思っていました。
ですが、文中にも書いたようにそれはなんの根拠もない
勝手な思い込みで、誤りでしたし、危険な思想でした。
ちょうどこれは一躍人気を博した『DEATH NOTE』の
テーマと同じですね。。殺人能力を持った主人公がこの
世から犯罪を無くすために報道される犯罪者を裁いていく。
そしてそれに対して警察側が彼を追い詰めるまでを書いています。
表向きは主人公と警察側のライバルの心理戦ですが、
テーマは死刑制度と被るところが多々あります。
(もっとも漫画は主人公が勝手に裁いてますが)
まだ読んでない人は、是非友達に借りたり、場所によっては
図書館にもあるそうなので読んでみて下さい。
余裕があったらブログのアマゾンから買って下さい(笑)
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