ガソリンのカサ
ガソリン税の暫定税率維持・引き下げを巡って、
与党と野党が真っ向対立している。
維持側(自民党)の意見としては、
「維持しないと道路が造れないどころか、除雪も出来ない」
(政府見解、福田首相の言葉)
反対側(民主・共産・社民など)の意見としては、
「国民の生活をまだ圧迫するのか」
というもの。
この関係が道路利権を巡る大合戦だということは
マガジンでも詳しく書いたと思うけど、
給油法案よりもガソリンに力をいれる代議士達は、
おれにはもう滑稽でしかない。
狙いどころが違う…という民主党批判だと、また同じに
なっちまうから、今日はこのからくりでも説明しとこうか。
ガソリン税は道路利権だ。
勿論、道路建設にも使われている。
そういう意味では、首相の、
「道路が造れなくなってしまう」
という発言は嘘ではない。いや、むしろ巧いと誉めるべきだろう。
肝心なのは何のために造っているかだ。
読者にも大手ゼネコンに働いている人が何人もいるし、
かくいうおれも商社の人間だったから、道路利権については
統計・全体は見えないまでもある程度の知識はある。
そうだな。。道路を造る為の金をわかりやすく1万円としよう。
このうち、本当に必要な道路につぎ込まれるのは、
3000円くらいじゃないだろうか。
あの道路は必要・不要なんて水鉄砲の打ち合いはする気は
ないし、どんな不要に見える道も、ごく一部の人間にとっては
有益だったりすることもある。
おれが言ってるのはそうじゃない。
道路を発注する政治家・役人、それを落札する企業、
下請け業者A、下請け業者B…という流れに沿って
工事は分散されていくけど、おおよその儲けは様々な
形で上流へと戻っていくのだ。
そういう意味で、せっかく金をかけて道路を造っているのに、
結果的に政府や道路族の税金マネーロンダリングと
呼んでもいいものになっちまっているってこと。。
公共事業は、未だに多くの地方で利権と化していて、
特定の業者が順々に仕事を回している。
それを成立する為には、当然上流へのキックバックが
発生し、下流の儲けなど微々たるものだ。
公共事業を落札しているゼネコンの受注件数と、
自公(道路は公明が握っている面もあるから)への
莫大な献金がきれいに揃っているのは面白い一面だ。
(有料版に実名入りで書いてやろうかな…)
政党の明細が1円単位で公開されるんだ。
この辺も全部明らかにされるだろうよ。。
新聞やテレビが報じればの話だけどね。
これを考えれば、政治家達が必死になる理由がわかるだろう。
給油法案を成立させて得られるのは、将来的なアメリカからの
ご褒美と分け前、それに彼ら自身の、自我の満足だ。
対してガソリン税は、目先の利権の消滅がかかった一品。
遠い未来の金より、目先の収入に目が行くのは、
A層もB層も変わらないんだな。。同じ人間だ。
民主の大江一派が暫定維持に賛成するそうだけど、
これだってもう説明がつくだろう。
勿論、支援団体が、道路利権の末端の恩恵に与っている
のかもしれないけど、純粋な金目当てでもあるだろう。
既得権には色んなやつが群がる。
対抗勢力の民主党議員だって、その例外じゃないのさ。
道路利権という餌に、野党を分裂させる。
大江がどう転ぼうが、自民は痛くも痒くも無いし、
民主が内輪もめしているという印象も与えられるだろう。
「王手飛車取り」。
なかなか良い手だ。
ただ、菅が
「(大江達は)国民の期待を裏切っている。そうするなら
議席を返上するべき」
というのは、民主党にしてはなかなか筋が通った返し方だ。
これ以外ないだろうし、強い姿勢に出て得をすることが少ない
永田町において、千載一遇のチャンスを有効に活用したね。
ここに来て菅が随分と名参謀になってきた気がするのは、
おれだけだろうか。。。
最後に、根本的なことを一つ補足すると、
道路に限らず、例えばグリーンピアにしても、
無駄な公共事業をやる時に必ず自民党は、
「一部の人にとっては助かるものだ。不要という人間が
多いからと言って、マイノリティーを無視していいのか」
みたいなことを言う。
冬柴の口からも何度も出ている。
その度に国民は、
何故道路利権が絡むときだけ、弱者側を庇うんだ?
それ以外は全て弱い立場をなぶって金を毟り取って
強者に配っちまう癖に、どうしてこの時だけ?
と思う訳だ。
この際だから解答を言っておこう。
何も政府は、道路が出来て助かる人たちを指して、
「一部の人」
といってる訳じゃない。そう聞こえるかもしれないが、
それは政治家としての嘘の巧さだ。
実際は、道路利権に群がる役人・大企業・宗教団体を
指して、「彼らが助かる」と言っているに過ぎないのさ。
「議員が出身地に道路を造って、
故郷に錦を飾りたいという者が多い」
と言うよく聞く台詞の成分も、大方嘘で出来ている。
飾りたいのは錦でなく、その土地の道路利権の頂点に
自分がいるという見せしめ、見えない純金像を建立したいんだ。
政界が本当に再編されるなら、これからこういう利権を巡った
水面下の動きはたくさん出てくる。
気づいたものはなるべくフォローするけど、読者もちょっと
だけ注意して見ていると面白いよ。
何故、人気が完全に逆転しているのに、
自民は余裕で、民主が必死なのか。
そしてこの期に及んでも自民は弱者を絞って強者を栄えさえる
方針を転換せず、逆に民主は、経済や年金に限っては、
弱者へのフォローをする方針で、国民受けするものなのに、
あれだけ恐る恐るなのか。
それは全て利権が絡むからだ。
自民党は当然与党。
おおよその利権は手中にあり、また必要であれば
いつでも生み出せる。
「三位一体」とかそれらしいサブネーミングをすれば、
国民は自殺者を多数出しながらも、
真相も知らずにいくらでも払ってくれる人がまだまだ
たくさんいるからね。
対して民主党は、支持率はあっても利権はあまり持たない。
ここに圧倒的な力の差があるのだ。
自民は社長・資本家・役員の支持を集める。
民主は労働者・社員の意思を代表している。
人数は後者が当然多いけど、日本においては
前者が断然強いのだ。
それは、一握りの壮絶な富と名誉と豪遊の為に、
数え切れないほどのB層が、生死をかけた毎日を
送っている関係からもすぐわかるだろう。
利権は力。
社長が社員に投票を進めるケースだって、
当たり前の様に行われている。
夏の選挙前に行ったろう?
そういう意味で、革命には勇気が必要だと。。
しがらみや利権を振り切る勇気、
利権に目が眩まない意思が必要なんだ。
大江は残念ながらそうはいかなかった。
菅の言葉通り、これは裏切りだとおれも思うよ。。
W:KEN