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2008-10-29

日本のように Byサルコジ

2007年5月に誕生したフランスのサルコジ政権

だけど、実は結構ややこしい状態らしい。

極右政権によって国を支配しようというサルコジ側と、

あまりに危険な発想だと抑止にかかるメディアで、

ヒートアップしているのだ。

       

フランス在住の読者からのメールでは、

「フランスは首相がニコラ※注 サルコジのファーストネーム

に変わってから、公言していた以上に親米、追米路

線をひた走っています。

新自由経済への舵取りや、武力による威圧政治など、

ブッシュ政権初期を思わせる徴候が垣間見えます。

御中も度々書かれている通り、欧州は他国に比べて

行政や国づくりが非常に進んでいて、適度な自由と

平等感、そして高福祉が売りであると思います。

ですが、あえて日米型にニコラが遡っているのは、

自分を含めた一部の支配層と、その他の間に、

逆転しようの無い壁を造るためです」

      

このメールが来たのは数ヶ月前なんだけど、

昨日大学助教授をしているっていう人と

食事をしたときに、こんな発言が出たことで

結びついたんだ。

      

「サルコジ氏はフランスで永くに渡る極右政権

を誕生させようとしている。

彼が昨年首相になれたのは、経済面での支持

や、治安悪化、それに福祉についてなんだが、

彼はそれを切欠にし、実質は自分の願望、つま

り極右思想による恐怖政治での統治に変えたい

わけだ。それをするために、彼は何を参考にし

たと思う?」

おれはうっすら冷たい答えが浮かんでいたが、

微かな否定への願いも込めて、首のスイングを

2Dの世界に抑えた。

だけど、やっぱり予感は的中。

「日本だよ。約60年間も自民党の方針はぶれて

いない。これだけ永くに渡って政権を握っていら

れるのは、主要国では日本だけだ。

これは単純に国民が未来への関心が薄いという

点もあるだろうけど、それだけじゃない。

権力を監視する力、反対する力、正しい道を見る

力を失っている…正確に言うと、失わされたかな」

ワインを飲んで一呼吸。真昼間だが、徹夜明けの

その先生には、仕事終わりの一杯なのだと言う。

「一人を洗脳するのも、国民全体を洗脳するのも

あまり変わらない。

疲弊させて、考える力を弱めればいいんだ。

疲弊させるのに一番効果があるのは何かわかる?」

それなら簡単だ。現在の日本人の労働状況を

考えればいい。

「長時間働かせて、余裕と思考を奪ってやればいい」

「正解だ。フランスの会社員の平均労働時間は、

昨年から徐々に増えている。まだまだ日中に比べれ

ば少ないが、競争力や成長という言葉で、サービス

残業を強いるシステムはそっくりだ。

更にサルコジ政権は、新自由主義への第二段階へ

移行しつつある。それは底辺の切捨てだよ。

システムから転げ落ちた連中を、徹底的に切り捨

てていく。安い労働力として搾り取って、それさえ

出来なくなったら見捨てるのさ。日本と全く同じだ。

派遣業界なんてものが認知されていないだけ、

かなりマシだけど、それも時間の問題かもしれない」

          

      

フランスだけに限らず、支配層は日米型の経済を

目指したいのは当たり前だ。

利益の独占、情報コントロール、そして長期政権。

良いことづくめだもんな。

先生さんの意見に付け足すなら、更に親米っての

が欠かせないんじゃないだろうか。

新自由経済&右翼政権の集大成は、

やっぱり戦争にある。

それも他国の戦争に適度に首を突っ込んで、

武器を売ったり利益のおこぼれに預かるのが

ベストなわけだ。

失う命は庶民だけだし、国民の命を金に変える

のは日常の出来事だしね。

それをうまくやらせてくれるのが、戦争を生業にす

るアメリカなのだ。

現に、サルコジは分りやすいほどの新米路線を

打ち出している。

自民党は既にそれを実現する最終段階まで

こぎつけているし、ある意味フランスより大分

先輩なわけだ。

サルコジが日本を見習うってのもわかる気がするな。

       

            

サルコジの今までにやった主な政策や発言だ。

    

極右政権に反対する若者の暴動に対し、

「社会のクズだ」

「クズは排除すればいい」と発言。

    

残業促進政策を実施。

残業手当には所得税がかからないという法案

だが、新自由経済が進むにつれて、残業代そのも

のが払われなくなってきた。

          

日本で言う中学生に対し、‘お国の為に働こう’

という刷り込みを行う授業をすることを義務付ける。

         

イランの核開発問題で、散々交渉してきた経緯を

無視して、「武力行使も辞さない」とアメリカをよいしょ。

このことは、欧州各国の新聞などで、

「欧州の雄、フランスは死に、アメリカの犬が生まれた」

と書かれた。

          

移民受け入れに対して、今までの受け入れ体制を

全て無にし、体制にとって都合の良い人間のみ

受け入れいるという前代未聞の政策を実施。

簡単に言うと、右翼政権への投票や献金が条件。

            

            

まあこんなところかな。

歴代はじめてフランスがアメリカの足の裏をなめた

わけだが、プライドがないわけじゃない。

逆に考えれば、そうまでしても右翼思想と日米型

資本主義のコンビネーションは、支配者層に絶大な

利益を及ぼすってことだ。

      
         

最後に。

覚えているかはわからないが、サルコジと最後まで

首相を争ったロワイヤル氏。

彼女はずっと、

弱者の救済とより平等な社会つくりを訴っていたのだ。

しかし、メディアを使った国内を巻き込むサルコジ旋風

で、彼女の意見は消された。

だが今となっては、

「あの時ロワイヤルを選んでいれば…」

という声が多いらしい。とき既に遅しなんだけどな。

・・・・なあ、この話、どっかで聞いたことあるだろう。

      

         

フランスには三度ほど行ってるけど、

そこまで大した思い入れはない。

だけど、美しい国であることは事実だ。

街も空も未来も、そして人も。 

サルコジは本当にわかっているんだろうか。

日本は確かに日米資本主義によって、空前の

好景気を実現したが、内情はひどいものだったって

ことを。そして今も国民は窮地に陥っていることを。

         

このまま日本を見習って突き進む先に、

暗く淀んだ花の都があるかもしれないんだ。

無事統治を終えた後に、国を見渡したら、

一面黒い瓦礫じゃ、意味なんて無いんじゃないだろか。

日本と違い、フランスはアメリカの奴隷でいる必要は

ないし、年次改革要望書も届かない。

今ならまだ後戻りは可能だ。

パリの街に、陰気は似合わないぜ。絶対に。

         

          

そう言えば、前に紹介したパリのタイショウケンの

従業員だった人とこの前会った。二カ国でたまたまの

出会いをするのって何か不思議なものがあるよな。

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