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2008-11-02

世界に羽ばたけ奴隷諸君

先週の火曜だっけかな。

とある企業の決起集会みたいなのがあって、

たまに仕事をもらっていることもあって、

半ば強引に参加させられた。

飲みニケーション。

上司のゴルフは出世のチャンス。

得意先社長のスケジュールは暗記しろ。

この国は結局高度経済成長期の蜃気楼から

未だに抜けられないし、

崩壊した社会への信用をアルコールで繋ぎとめよう

って考え方そのものが末期なんだけどな。

         

その中で営業本部長なるおっさんが言ってた台詞

が愉快だったんで、紹介しとこうか。

「今、世界中が不景気ですね。

金融バブルが崩壊して、一斉に市場から資金が

引いてしまいました。

でも、これはチャンスなんですよ、皆さん。

日本は幸い特段被害は無いようですし、

逆境に強いのが日本人です。

(中略)

私は日本人と言うのは、こういう現況に有利な

特性を持っていると思うんです。

一つは、こういう風に、仕事が終わった後にも

自主的に付き合いに参加し、和を作る力。

もう一つは、会社の為、社会の為、国の為に、

個を犠牲にして尽くせるという点です。

個を犠牲にすることが、結局は巡り巡って

自身の生活が豊かになることに繋がるんだって

ことをわかってるんです。

(中略)

世界の勝ち組になるチャンス。それが今です。

では、皆さんご一緒に。

エイ!エイ!オー!!」

      

まあ酷いものだが、

断っておくと、これはワンマン社長が率いる中小

企業の出来事じゃない。

超有名ホテルを借り切って、部署ひとつで300人

以上が集まる大企業だ。

社長は政府機関とも綿密に打ち合わせを重ね、

日本経済を予定調和の未来へ導こうとする

ありがたい会社様の一つ。

そんな企業でも、結局また社員を犠牲にして、

なんとか不況を乗り切ろうとしか考えてないし、

得意の‘世界との戦い’を掲げれば、

何でもアリだと未だに思ってるんだ。

おれたちは一体誰と戦っているんだろうな。

       

         

正社員から派遣社員への入れ替えがまた進んでる。

派遣コンサルのやつの話じゃ、ここ一ヶ月で通常の

三倍の注文(この言い方もな…)があったらしい。

不況の深刻化で、今のうちに身軽になっておく為に、

解雇があっさり出来る派遣社員で賄ってしまおうって

魂胆だ。

自民党は世論を受けて派遣を規制すると言い続け

ているが、今のところ口だけと言わざるを得ないね。

派遣業界との癒着はもはやずぶずぶだし、

政府側は歓迎ムード全快だ。

スポット派遣やグループ内派遣の規制だって、

契約社員の解釈を変えることで万時解決になりそうだ。

そして言うまでも無く、不当な搾取の原因になっている

偽装派遣等の問題は、未だに万を超える企業で実践

されているのだ。

    

日本人の特技は、団結や犠牲心じゃないと思うぜ。

それはあくまでやらされているだけだ。

NOと言えない悲しい性に過ぎない。

だけど、もっと別の武器がある。

それは残酷さだ。

アングロサクソンよりもずっとずっと酷いことが、

いともあっさり出来る。

弱者は骨の一本まで食い尽くせと、

アメリカの命令通り自由経済を進めている内に、

いつの間にか本家よりも性質の悪い、

新自由経済を確立しちまったのさ。

    

国連や発展途上国にはわが身を削って大金を

積むが、自国の国民に対しては、奴隷以下の

扱いが平気で出来る。

これは21世紀の日本人の新たな強みでもあり、

崩壊の切欠にもなり得ることだ。

金のなる木は、当人では絶対に手放せないんだよ。

         

         

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