2007-08-09

鉄くずシーフの夜 【4】

近年、お決まりのようにやってくる熱波と暖冬。

シャープ付きの四季に入れてもらえなかった雨降りの季節。

じめじめとした空間で、おれと天使の刺青を持つドライバーを含む

総勢12名が待機していた。

騒いではいけない。

大声もいけない。

小学生の教室の日直の名の隣に書いてありそうな注意を、

おれたちは13番目の男に再三聞かされた。。

(広さは違うけど、自民党工作員の闇バイトの時と空気が

すごくそっくりだったな)

1時間ほどの休憩と称した、声を顰めなきゃならない待機だった。

エンジェルタトゥーは夕方コンビニで買った弁当を、

おれは出発前に自分で作った悲しいおにぎりを、

食事をするには絶対不向きな環境で、喉をからからにしながら

さっさと片付けた。。

どんな状況だろうと、元気なら飯は喰わなきゃならないのさ。

闇の中を覗き込むには、栄養が必要だから。。

それに握り飯一つ食えずに、政府と役人の豪遊の餌食にされた

やつがこの国にどんだけいるかを考えりゃ、

目の前のおにぎりがステディ作じゃなくたって、

ちっとも情けなくないはずだ。。

あんたもそう思わないか?

                  

               

                 Fe

               

                     

仕事再開は20:00頃。

鉄をたんまり積んだ6台のトラックは、

順番に薄汚れた倉庫を追い払われた。

港には大型の船がいやってほど停泊していて、

日本で生まれた汗と努力の結晶達をバカバカ飲み込んでいく。

対岸に見えるライトの花が好き勝手に咲き誇り、

逆にこちら側の闇を一層深くしていた。

事実、おれたちは闇へ鉄を放り投げた。

         

            

                Fe

      

             

おれ達の目的地は意外にも船じゃなかった。。

港の敷地に隣接する工場の一つ。

そうだな。。ゴミ処理場をイメージしてくれればいい。

トラックで各々が乗り付けて、

奈落のそこに積荷を落とし込む。。

その作業を全トラックがゆっくり繰り返した。

自動に傾斜がつく積荷台のモーションじゃ落ちないやつらを、

おれが直接登って突き落とす。

下には金属達の地獄があった。。

ざっと見ただけでも、車の部品、電化製品、公園にありそうな

鉄製の遊具、キッチン丸ごとみたいなものもあった。

全部がそうかはおれにわかりっこないけど、

いくつかはどう見たって盗品だろう。。

だって公園の鉄棒が一気に数十本も同時に廃棄になるかい?

あきらかに盗まれてきたものだよな。。

こいつらは工場でなんら正規の鉄と変わらない溶解処理を

施され、何食わぬ顔でどっかに運ばれるんだろう。。

               

             

                 Fe

                  

                

人身売買ワークはそこで解散。

えらい重労働だったけど、報酬は7000円。

交通費は出ないから、実質はもっと少ない。

奴隷制度のなせる搾取技だ。。

まぁ視野をちょろっと広げりゃ、正社員だってまったく同じ

スタイルの奴隷なんだけどね。。 

大企業が空前の大利益を上げているのに、

ほとんどの会社員にはほとんど波及されないだろう?

『1億円の案件が!』

『リテラシーアップ!』

『だれだれ社長の経済学(大体経団連メンバー)の本が

愛読書!』

こういうメディア洗脳ばっちりされたやつが、

きっとどこの会社にもどっさりいると思うし、

そういうやつは大概おれや読者の一部みたいに、

仕組みがわかった上で適度にサボりながら仕事してるやつを

『スキル』『資格』『訴求』みたいなワードを多用して責めて来る。

つまらないことで怒っちゃならないし、

社会の隙間を見れるあんたと、

御手洗ヴィジョンで頭が真っ白なやつとじゃ会わないのは当たり前。

「笑いたがる人にはKISSを。」

ミュージックがほとんど死んだ国、この日本で、

指折りするほどに減っちまったミュージシャンの生き残りの一人が、

数年前歌詞でそう叫んでた気がする。。。

             

            

悪い、、話が飛んじまった。。

で、解散したけど、おれは当然残った。

天使タトゥーの兄貴が渋谷まで送ってくれるって言ったけど、

なんとかうまく断った。。

         

          

工場をブラブラと見学。

灰色社会化見学だ。。

社会科の教材で使ってくれないだろうか?

「盗んだ鉄を都溶かして輸出してお金を儲けます。」

リアルな今を教えなきゃ。。

       

               

工場の人に話を聞いていく。

3人目でビンゴ。。

暑いっすね。ジュース1本余ってるんですけど如何です?

マルボロの1本でもつけりゃ、知ってることは聞けた。。

その工場のスクラップはまず鉄、銅、ステンレス、それ以外に

種訳される。。

なぜなら銅やステンレスは錆びないから、製鉄上は高級品らしい。

当然取引値も高い。

そいつらは溶解されてドデカイ塊になって、

中国へ出荷されるらしい。。

中国は今、喉から手が出るほど鉄が足りていない。

日本の新日鉄などをはじめとした先進国の技術支援を

受けて、製鉄技術やラインコントロール、

徹底したコスト管理で受け皿は出来ているのに、

肝心の金属が足りていないそうだ。

この工場から出る鉄は9割が中国、1割に行くとのこと。

         

          

おれはちょっとだけ残酷な質問をしなきゃならなかった。

          

ここに来る鉄は盗品じゃないですか?

                      

無言。。。

正直心が痛んだ。

彼らはちっとも悪くない。

彼らだって一日数千円で重労働を強いられている

おれと同じか弱き資本経済の底辺。

議員年収だけで数千万、副収入入れれば軽くもう1ケタを貰う

自民党議員が当然のように切り捨ててきた人たちだ。

(もっとも格差が開きすぎて比率は2:8になっちまったけど…)

その8割の中でも底を支える人ら。。

そんな彼らに中国のダークジョブについて聞くのは酷ってもの。。

真実は安くないのだ。。

          

               

それでも別れ際に、盗品だということは薄々気付いていること。   

ニュースで流れているような「異色」な鉄製品も日常的に見ること。

そしてこれまでなんども警察が視察に来たことを明かして、

彼は時間で区切られた単調なワークに戻っていった。

外に出ると、時間が対して経ってなかったせいか、

それとも彼は勘付いていたのか、

人間の腕に刻まれた天使がトラックで待っていてくれた。。

なんだか泣きたくなったのは、おれが弱いからだろうか。。

            

               

               

               

本当はもうちょっと調べて、写真とかも撮ったんですけど、

諸々の都合でそれはまた別の機会に。。

もっと臨場感をもって伝えたいというか、問題の根幹を

伝えたいというか、それを文字だけで伝えるには

私はあまりに未熟なんです。。

灰色の世界を丸ごと伝えるにはどうしたらいいか。

情報をくれる読者になにか還元するには?

色々悩んだり、読者に相談したりした結果が、

自由度の高いHPを作成することでした。

いい加減詳細を話せというメールが殺到してますので(笑)

そろそろ少しづつ話せるところから話していきたいと思います。

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2007-08-08

鉄くずシーフの夜 【3】

                   

盗んだ鉄をかき集めて売ったら、勿論犯罪だ。

故に大手企業は直接手を出していない。

いや、言い方が少々まずかったな。

鉄の盗難がデタラメに急増していること自体は知っているが、

関知していないってことだ。

なぜなら鉄ってのは都合のいい物質で、

溶かして固まりにしちまえば、

その鉄がどこから来たのかなんてことは

ちっともどうでもいい情報になっちまう。

過程の意味なんてどうでもいいのさ。

あんただって自分が何故生まれてきたのかなんて

考えないし、考えたとしても答えは無いだろう?

この金持ちの為の楽園と化した国で生き延びるには、

おれたちB層は無心で働いて、

自民様や経団連様に貢ぎ続けるしかないのだ。

忙殺される日常で鉄の履歴書なんざ見てられないのさ。

だけど、ご存知この日本は、

世界が軽蔑する市民虐殺・レイプ軍隊に

ただ一国喜んで加わりたいと手を挙げる政府が治める国。

もうすぐ武器を死ぬほどつくらなきゃいけないんだから、

鉄を盗まれないように監視すりゃいいのにな。

中国の5流自動車の部品やスカスカの構造設計の

ビルの一部に使われるか(ビルは日本も人のこと言えないけど)、

アメリカの敵を撃ち殺したり、レイプターゲットの女性を脅す

ジェノサイドツールに化けるか。(たまに日本人にも)

どっちにしても鉄の悲運な運命は変わらないけど…。

ハリウッド映画じゃ二択を迫られれば必ずどちらか正解だが、

現実は残酷だよな。。。

                

               

                 Fe

                              

                              

鉄の輸出には、当然ながら鉄をかき集める

仲介業者ってのが存在する。

取引先の協力もあって、その大体は確認出来たけど、

怪しいところは見つからない。

どの業者もスクラップや解体業者から出た鉄くずを買い取って、

圧縮して納品する。

日本経済の縁の下のそのまたアンダーを支える

人たちだ。。

                     

      

だけど、鉄の盗難のニュースは一山いくらってくらい

日本の情報インフラを流れていくのに、

盗難された鉄を運んだ貨物船が摘発されたニュースは無い。

政府協力のもと行われていたり、

マスコミが隠蔽してるのでは?とか言われそうだけど、

その線は無い。

だって考えてみてくれ。

値が上がったといっても所詮は1t=4万弱。

その程度の儲けから政府や電通への裏金を捻出してたら

ちっとも割りに合わないよ。

(政府が見てみぬふりをしてる、大の仲良しのS●会経由の

大量外国人密入国と比べれば、一目瞭然なはずだ。)

それに盗難事態はあれだけおもしろおかしく報道して、

輸出だけスルーなんてデンジャラスな偏向報道は、

いくら堕落したメディアでもしないだろう。

アイアンシーフ達は、必ず正規のルートの中に

紛れ込んでいる。

まったく頼りになら無い、社会の底辺のハリネズミの勘が

そういっていたのだ。

            

                   

                 Fe

               

                      

今度は鉄くずを集めてくる仲介業者のフローを見てみる

ことにした。彼らだってどこかから集めているはずだ。

もう少し小さい規模の会社なら、

目先の金に眩んで、出先不明の鉄を中国に送っているかも

しれないって考えだ。

だけどこれはひどく難航。。

一介の会社員が営業と称して業務フローを聞くには、

鉄の集め先がどこかなんて情報の返答は、

ファジーにならざるを得ないから。

はやくも2度目の行き止まり。。。。。

            

                   

                 Fe

               

                         

今度は単価の面からだ。

『盗んだ鉄なら、格安で取引されているから、

ありあえない値段で貿易している会社が犯人だ!』

アニメならばすぐにターゲットが絞れそうだが、

現実は当然違う。

貿易会社勤務の読者(Sさん)に協力してもらって調べたけど、

そんなところは無い。

Sさん、三流ライターの頭の悪さ全開の推理に

付き合ってくれてありがとう。。。

行き止まりサードタイム。

                   

                   

                  Fe

                

                        

ここまでで、正直やる気がちょっと失せていた。

3回くらい行き詰ると、おれは大体小休止する。

別におれは警察じゃないし、

仕事が半分といいつつも、趣味で調べてるだけだからね。

(馬場でナイフを突きつけられたことといい、

学会に乗りこんだあたりから、趣味の域を超えだしてるのは

気のせいかな。。。楽しいからいいけどさ。会社員ってのは

こうでもしなきゃ退屈だし、グレーな世界がおれの生きる場所。)

最後まで調べ上げて、記事に出来るのは大体2~3割。

あとの7割は書き上げられることなく、アニメ推理しか出来ない

会社員の頭の埋立地にあてがわれているのだ。

これをなんとかしようと思って、今新しいサイトを作ってる。

あんたにもグレーワールドをもっと身近に体感して

もらえるスペースをね。(つならない宣伝だ。スルーしてくれ。)

          

                  

                  Fe

                  

                           

難解なことほど、いつだってシンプルに尻尾を出す。

おれが某日いたのは有名刑事ドラマで有名だった某埠頭。

一日だけの肉体労働を搾取ありきで切り売りする、

携帯操作だけで簡単に紹介される

明日無き人身売買労働だ(自民党礼賛公認ワーク)。

おれの仕事は馬鹿でかいトラックに乗り込んで、

助手席に座ってタトゥーがイカした金髪の兄ちゃんと

雑談することと、鉄くずの卸元を回って鉄を回収することだ。

鉄くずを荷揚げするのは死ぬほど疲れたけど、

解体業兼任の強面の兄ちゃんはおもしろいやつだったし、

何よりスクラップの卸元で怪しい店をいくつか絞り込めた。

      

            

おれがなんで休日返上で鉄を集めていたか?

1週間前に協力してもらった読者のSさんが、

怪しい業者をリストアップしてくれたから。

『鉄の行き先が中国か韓国である』

という断定の元に検索してもらった成果だ。

弱点は大本が間違ってたら全て水の泡な点だけど、

中国や韓国の鉄不足、そして盗み取るという手口。

手を汚すのはやくざかもしれないけど、

最終到着地点はきっと中国・韓国だろうという推察は、

あながちぶっとんだ推測じゃないはずだ。

          

                     

会社名さえわかれば、もぐりこむのは底辺のおれには楽勝。

ジャパニーズ資本主義は、弱者のライフサイクルに

ひどく無関心だからね。故におにぎり一個喰えないで

自殺を選ぶ人がごまんと出て来るんだけど。。

とにかくおれは、かき集めた鉄を運び込む船を

ひたすら待った。

夜になっても、今年最高の湿度を記録した

不快指数MAXの空気が漂う夜の港でね。。 

       

                          -つづくー 

                     

               

                     

中国で関連することですが、サッカーのU-22の日本-中国戦で、

中国のサポーターが日本サポーターにものを投げつけたり、

国旗掲揚に対してブーイングしたり、審判が全員中国人という

あり得ない状況下で、中国側の反則を取らないという事件が

ありました。 私はなんども言っていますが、サッカーは他の

スポーツとは全く違います。サッカーは平和の為に出来た

スポーツで、故に世界でダントツ1位の競技人口、感染人口を

誇っています。。 

W杯開催中は戦争が止まる。敵対中の国同士がサッカーの

試合中に互いを称えあって握手する。占領軍と植民地の子供が

サッカーを通じて心を通わせる。。

サッカーには数々の平和のエピソードがあります。

熱くなるのは仕方ないですし、試合に熱中するあまり暴言を

吐いてしまうこともあるでしょう。

だけど暴力は絶対駄目だし、今回の中国の1件に限っては、

試合とは無関係に日本人を攻撃しています。

昨年のセリエAやスペインリーグの一部もそうですが、

サッカーと政治を混同させるのは絶対に許せません。

10億人が見守る愛すべきスポーツに彼らの様な人たちは

要りません。。勿論、中国人の全てがそうだとは言わないですし、

右傾化と視聴率の為の中国ニュース誇張傾向なので、

話半分には読んでいますが、サッカーを汚すのはやめて欲しいです。

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2007-08-07

鉄くずシーフの夜  【2】

おれがこの件のつっこんだ所を知ったのは、

取引先の製造業の某有名企業で話を聞いたときから。。

鉄を取り巻く環境はここ3年ほどで著しく変わっていて、

鉄で出来た経済雲は全世界を覆っている。

Photo_2 

                                                                                            

                                              

                                                                                                 

上の鉄の値段のチャートを見ても一目瞭然。

数え切れないほどの文明の高度経済成長を

縁の下で支えた鋼は、今、その価値を高めている。

極論だけど、このまま突き進んだら、

ダイヤモンドを超えちまうんじゃないのだろうか?

そうしたらきっと下品なテレビのコメンテーターや

パネラー、そしてテレビ至上主義の電通奴隷達の指には、

光を青白く歪めて反射させる鉄の塊が居座るんだろうな。。

『私のは亜鉛や銅なんて一切含まない、100%鉄製ザマス』

『私のなんて三陸産の鉄ですのよ』

笑ってるだろうが、金やダイヤで実際今やってるよな…。

単価の高い鉱石に勝手に付与価値をつけて

騒ぎ立てる。。

芸能人が付けてたら+10P。。

こうしてルールは生まれるのだ。。

                     

                      

                 Fe

                  

                           

どうして鉄の値段が上がっているか?

因果関係を全部説明すると長くなるから簡単に。

当然ながらイラク戦争の影響が震源地。

石油の利権を巡っての自作自演の9.11に始まった

一方的なオイルウォーズだ。

あの戦争でアメリカが得たものは、

当然ながら石油(=世界の半分)、団結心(嘘がばれるまでは)

それに日本という歩兵。。

核を持つための切欠、自衛隊の戦争参加機会を与えてやり、

戦争による石油利権や発言権という餌で、

ついに念願だった、日本を虐殺のスパイラルに引きずり込んだ。

そして忘れちゃならないのが、世界からの軽蔑の視線だ。

これが最高で最低の戦利品。。

メディアは報じない(政府が報じさせない)けど、

当然ながら日本にだって同じ視線が向けられているのは

言うまでも無い。

         

各国がアメリカの嘘に騙されてイラクへ出向いた。。

しかしそこには大量破壊兵器のたの字も無い。

目の前で繰り広げられるのは軍隊による

市民虐殺と女性へのレイプ。

国は利益を考えれば石油利権も大事だが、

それよりも人間としての尊厳を尊重しイラクを撤退。

当然だ。。

だけど、その当然が出来ないのが支配者アメリカと、

悲しいことにおれやあんたが住む日本なんだ。。。

(これについては特措法案も含めて次に語ろう)

石油が値上がりすれば、鉄鉱石も値を上げる。

鉄鉱石が足らなくなれば石炭も値を上げる。

鉄は自然と値を高めた。。

         

               

話は中国と韓国に飛び火する。

中国、韓国は一見経済成長が続いている。

だけど、その実は結構綱渡りで、

原材料不足に悩んでいるのだ。。

その中でも鉄の需要と供給は全くバランスが取れていない。

企業ビル、テーマパーク、学校、デパート。。

経済がハードを要求しているのに、

肝心の原材料が無いのだ。。

無いものは奪ってくる。。

豊富に鉄がある国で、輸送代が安くつくのは? 

そう、日本だ。。

               

6月末。おれは鉄強盗組織の末端業者に話を聞いた。

国がバックについた最低のシーフたちの話をね。。

                         -つづくー

                

                

                  

今日昼休みに資料室で調べたら、鉄関連の盗難は

ここ数年ものすごい数でした。

逮捕者も結構出ています。

鉄の棒を5000本盗んだ男、墓場の鉄製品を盗んだヤンキー

二人組、鉄道や電車の鉄部分を盗んだ中国人。

胴元は中国と韓国なのは間違いないです。

鉄道の部品や線路を盗むのは、一歩間違えれば大惨事です。

鉄泥棒が国家テロに化けかねないということです。

次の記事では組織の全貌や仕事の流れを書きましょう。

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2007-08-06

鉄くずシーフの夜  【1】

ある日突然、日常に真空が出来ることがある。

そこにあった何かが無い。

きっとあんたはすぐには気付かないが、

当てはめるべきパーツがないことに違和感は感じるだろう。

人間は自然と全てのものの完成系を頭にインプットしていて、

それに足りないものがあると不調和を感じ、

逆に完成されていると、美しいと思ったり、

それを手に入れたいと感じるらしい。

綺麗な女性を表す黄金比とやらがいい例だ。

強さを基準に種を繁栄させる動物の本能をスルーして、

人間は美に厳しく、美を求めるらしい。

いや、メディアが支配するグローバル資本経済においては、

もはや美しいことは強いことなのかもしれないな。

当然おれは弱いってことになる。。

か弱い灰色の小動物に愛の手を。

                

                  

                ★三

                     

                     

3年前、ローカルの地域新聞におもしろい記事が載った。

「神奈川県△△市の児童公園で、滑り台が半分盗まれた」

確か写真では滑り台の滑走部分だけが無くなって、

大人の背丈くらいまで昇れるカラフルな階段だけが

間抜けにたたずんでいたはずだ。

『滑り台が自宅に欲しかったんですかね~』

『子供が嫌いな人の犯行では?』

ゴシック誌は数年前も変わらず、無責任に勝手な推測を

書いて笑いを取っていた。。

なんでもない変わった事件の一つ。

だけど思えばあの時から、

夜の公園の灯りを、ぐしゃぐしゃにして受け止める

シルバーを狙った怪盗団は、暗躍を始めていたわけだ。

きっと3年前はまだ組織なんてものはなく、

こじんまりとした窃盗団だったに違いない。。

時代を先読むアイアンシーフ。

彼らは3年間でデタラメな細胞分裂を繰り返し、

闇の世界のセンセーショナル産業へ成長した。。

自宅で欲念と利権が織り成すランダムウォークを追うのも、

実社会からアイアングレーを物理的に切り取るのも、

時代を先読むってところは一緒で、

違うのは法を侵すか侵さないかだけ。

おれたちの「文化的な生活」とやらは意外に危うい橋の

上なのかもな。。

         

             

                ★

             

                  
あれから3年。

今日では、鉄製品が盗まれるのは常識になった。

大仏の台座、墓石の線香立て、鉄棒、スコップ、

強いてはショベルカーのグラップルまで。

日本の日常生活から鉄くずが消えていった。

26番目の元素に選ばれた中世を象徴する物質の神隠し。

消えた鋼たちはどこに…?

                  

そのカラクリは実にシンプルで、

ブラックホールに消えたわけでも、

ご都合主義の神様が現れて、魔王を倒すための神秘の物質、

オリハルコンに変えちまった訳でもない。

しっかりと物質として空間を移動して、

誰かさんの利益や、不安定な緊張状態の延命作業に

使われているんだ。。

そう、行き先は中国と韓国。

ブラックマーケットに巨大な悪の網を張るベンチャーの

黒幕は、発展と衰退の岐路に立たされた2つの国の、

国家犯罪ベンチャーだってことだ。

               

                   

               

実はこの話、結構笑えないスクープじゃないかといまさら

思ってます。滑り台を盗むと聞くと間抜けな三面記事ですが、

次の記事で書きますが、国が組織を使って行っている

犯罪です。 しかもターゲットは日本。。

自国の無鉄砲な開発のツケを、他国から犯罪行為で奪う

やり方は絶対許せませんね。。

次の記事をお楽しみに。

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2007-06-22

韓龍星 【後篇】

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ベガとアルタイル。。

二人の恐喝犯は、あっさり一日目で見つかった。

おれと隼人がすごいのではなく、

それだけやつらが頻繁に犯行に及んでたってことだろう。

おれらは被害者情報を元に張ってただけ。

ストリートのガキの犯罪に名探偵なんて要らない。

正義の味方のやくざと底辺会社員で十分なのだ。

                  

                     

カラオケの1室から現場までおよそ3分で到着したはずだ。

当然隼人の方が10秒は早く着いてたが。。

運動神経だっておれはさほど良くない。

天から2物どころか何も貰えなかった多くの人間の一人。。

               

隼人が声をかけるわけにはいかないから、

やつは地上で待機。

突入犯は非力な市民の役目。。

おれは携帯を隼人と繋いだ状態でスーツの内ポケットに

忍ばせた。。 

これでいざとなればおれの学年で最強と言われた

やつが飛んで来るから安心とタカをくくってね。。

おれは異世界へと繋がる階段を下りていった。

グレーゾーンの日韓戦のキックオフ。。

代表がおれとやくざなことが最大の不安要素だが。。

             

                      

             韓龍星

                      

                              

これでもかってくらい怪しい雑居ビル。

太陽光は完全にシャットアウトされ、

8年前に川口の高校で拝んだのが最後の様な

細長くてその癖さほど明るくない蛍光灯。。

亀裂がひどいコンクリの壁。。

スラム街のワンカット。

ハリウッド映画で溢れるこの国なら、

その単語が一番シチュエーションを想像しやすいんじゃ

ないだろうか? 

               

                

2階層式の階段を折りきった所に、

わかりやすく状況証拠があった。。 

女物の昨年モデルのヴィトンの財布と

池袋ラウールの1件の時に見たバタフライ。

その二つが背中姿の二人の青年の手にあり、

その向こうには座り込んだ20歳前後の女。。 

この光景は疑いようも無くカツアゲだろう。 

18歳を境にとんと見なくなったなつかしのワンショット。。

一人の男の右手首には確かに銀のブレスレットがあった。

間違いなくターゲットだろう。。

               

                        

               韓龍星

             

             

女は今時珍しいベリーショートのヘアスタイルで、

化粧っ気の薄い、部活やってる女子高生みたいな

雰囲気のやつだった。

服装はテンパっててよく覚えてないんだけど、

あの大きな瞳は覚えている。

助けを求めるまっすぐな視線をね。。 

          

               

おれが降りてきた階段は、

地下2階にパチ屋の換金所がある。

しかも場所は馬場だ。。

降りてくるのは日々の勝ち負けを暫定的に確定させる

明日無き亡者。。 

あんたが通勤通学の時にパチ屋の前で並んでいる

鮮度の悪い目をしたやつらを想像してみるといい。

あいつらがカツアゲされてるかもしれない少女を

助けると思うかい? 

ベガとアルタイルは、実に巧妙に犯行現場をチョイスしてるのさ。

人で溢れる東京の意外なセキュリティーホール。。

                        

            

おれは彼女に視線で相槌を打ってやった。。

吸い込まれそうなほど大きな瞳は、ちょっとだけ安堵感を

覚えた気がする。。 

やっと助けに来たやつが、

冴えない会社員だと知ったら、また恐怖にリバースだろうが…。

二人の男は似たような安っぽいストリートラフファッションで、

ボトルクリーン系の長袖Tシャツに、

トランクスを半分出すほどジーンズを腰履きしていた。

足元は腐ったようなクラークだ。

役割分担は至ってシンプル。 

階段からの視線を遮るように立ちながら

気配で周囲を伺う係りと、

ナイフを突きつけながら財布の中身を確認する係り。

まぁ興味を注がない人間がみたら、

3人の学生仲間が雑居ビルの踊り場でだべってる様にも

見えるだろう。。 

そしてこいつは後でわかったことだけど、

やつらは免許証と住所を書き写していた。

脅しの効果を狙ってだろう。。

とことん知能犯だ。

            

               

              韓龍星 

            

               

こっからは音の無い世界。

スローモーションなのか、早送りなのかは

あんたの想像しだいだろうが、

とにかくあの瞬間、あのビルには音が無かったんだ。

             

               

脅し役のベガがへ垂れ込む女の膝元に

ヴィトンを投げた。

おれは胸元の携帯に向かってGOと言う。

アルタイルがおれに気づく。。 

時間を稼ごうとおれは笑いかける。。満面の笑みだった筈だ。

カチッて音と共にベガの手元のバタフライが羽を閉じる。

おれは一安心する。 

その直後二人がおれに向かって突進してくる。 

変な掛け声を交わしてたが、おれは韓国語がわからないし、

真空で聞えない。。 

アルタイルの左ストレートがおれの左頬をかすった。

バランスを崩したおれは瞬間、

被害者の子と目があった気がする。。

このままやれるかと思ったけど、

やつらはおれをぶちのめしたいんじゃなく、

逃走したのだとだった。

二人ともおれの背後にすり抜けて行った。。

          

                     

おれはベガの靴にビジネスシューズのつま先を引っ掛けた。

ベガは派手に転倒した。。

アルタイルは既に数段階段を昇っていたが、

すぐさま引き返してくる。

一言二言やつらは一瞬で交わして、

おれを睨む。。

ベガはゆっくり立ち上がっておれの懐まで一歩踏み込んだ。

右手には再びシルバーに輝く蝶。。 

都会の闇を養分にする昆虫は、

ゆっくりと、それでいて無駄の無い軌道で

おれの頬に着地した。

おれに韓国語で何やら言っていたが、

おれに正確な翻訳が出来るわけが無い。。。が、

何を言われてるのかは当然想像つく。

嘗めてると殺すぞってことだろう。。

異文化コミュニケーションの壁なんて、

ナイフを頬に宛がうだけでたちまち飛び越えちまうのさ。。 

NOVAよりずっと良心的だろう? 

               

                        

               韓龍星

                  

                           

おれの頬に蝶が止まっていたのは、

5秒なのか、あるいは5分なのか。。 

今になってもイマイチわからない。。

少なくとも26にもなって刃を突きつけられたのは、

勿論恐怖と、それからちょっぴりの滑稽さが織り交じった

変な記憶へと化けた。。

滑稽なのは、当然おれ自身だ。。

             

                  

ようやく音が戻った。。

この世にサウンドという素晴らしき感覚を取り戻してくれたのは

パープルスーツの後輩。。

二匹目の蝶がベガの首に止まったのと同時に、

隼人の口から知らない言語が飛び出した。

動いたら刺すってな台詞だったんだろうが、

おれにはわからない。。

わからないが、隼人が話すと時間が止まった様には

聞こえなかったんだ。。 

何を話すかで無く誰が話すかなんだな。。。音って。。

             

                  

おれの顔に張り付いてたシルバーバタフライは、

ゆっくりとベガの手元で羽を閉じて隼人に渡された。

おれがそのとき深い深呼吸をしたのは言うまでも無い。

               

                     

              韓龍星

               

                  

隼人は数分間くらいで、ベガとアルタイルに、

おまえらを警察だけじゃなくてやくざが狙ってること。

さっさとこの街を出て行かないと洒落じゃ済まなくなることを

伝えた(らしい)。 

その間も、隼人の出したナイフはきっちりベガの頚動脈を

ロックオンしていた。。

素人とプロの違い。。

ベガとアルタイルは明らかに震えていた。

愉快犯の結末はいつだって恐怖なのだ。。

          

                   

               

ちょっとだけ後日談。。。

おれは被害者の彼女と一度だけ飯を食った。

彼女がお礼にと気を使って誘ってくれたのだ。

実質的に彼女を救ったのは隼人だが、

やつは来なかった。。。

               

彼女はなぜおれたちがあの場所にいたかを

探ろうとはしなかったし、

おれも彼女の馬場での生活を探らなかった。

実に誠実で、それでいて目鼻立ちの整った美人だったし、

彼女は少なからずおれに好意をもってくれてたようだけど、

いくつかの条件の折り合いがつかず、

おれと彼女は付き合うどころか、

次のデートに発展することも無かった。。。

偽者のヒーローとヒロインは結ばれないのさ。。

       

もしも馬場による機会があったら、

おれの文章を元に例のビルを探してみるといい。

そして地下1階の壁をざっと眺めてみることだ。

ここの読者にだけわかる傷を壁に残してきた。

もしも見つけたなら、あんたは幸運に。。。

は慣れっこないけどな。。

それでも地上に出た時のあの腐った馬場の風情が、

ちょっとだけまともに見えるかもしれない。               

都会のネオンはおれやあんたを優しく照らしているのさ。

                     

                             【 韓龍星 終 】

            

               

                

外国人犯罪は確かに問題です。

以前にも取り上げましたが、強盗や殺人、引ったくり犯の

多くは外国人によるものです。。

ですが、日本にとって重要なキーとなっている

外国人は各企業にかなりの数いるでしょう。。

現代の経済において、何人なのかを問うのはひどく

ナンセンスなのは会社員の方なら常識だと思います。。

この相反する二つの事実に、

日本は板ばさみされているのです。。

自民党が密入国者の蛇口を閉めることが出来る

唯一の権利者ですが、

暴力団とズブズブに癒着しきった現状では不可能でしょう。

自民党の利権を確保した上で起きている事象ですが、

結局被害にあうのはいつも弱者です。

それをわかっている人は意外に少ないんですよね。。

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2007-06-18

韓龍星 【前編】

白、黄、赤、緑、青。。 

鮮やかな原色を並べ立てたネオンの背景。

空の色がスカイブルーからマンダリンオレンジへ、

そして深いブラックへ変わるだけで、

都会はいつだって視界は良好。

眠らないのではなく、寝れないのだ。。。

それでも都会のあちこちには空白が出来る。

空気はあるけど真空で、虚無。。 

半径数メートルの小さなブラックホールさ。

            

待ち行くやつはそこで起きていることが、

瞳には映っているのに見えない。

恐怖で足と喉がデタラメなビブラートを続けて、

HELPの一言がうまく出ない。 

もたもたしていると、あんたの頬には、

ネオンを反射して闇夜に美しく舞う蝶の刃が突きつけられる。

あんたは仕方なく財布を出す。

すると犯人はバタフライを納めて走り去る。。 

二人の異国語を話す犯人がね。。

      

                  

馬場に通勤or通学してるなら、

5月中旬に噂を小耳に挟んやつもいるだろう?

(もしかしたら被害者も。。) 

こいつは韓国人2人組による連続恐喝事件の話だ。 

小さなどうでもいい事件だと思うかもしれないが、

どんな犯罪だって、被害者の心にはダメージが伴う。

勿論、26にもなってバタフライを頬に

宛がわれたおれだってね。。 

笑えるだろう? 

おれは根っからの小心者。。

犯人を成敗するヒーローになんてなれっこないんだ。

               

                     

              韓龍星

               

                   

フライング気味にしゃしゃり出てきた高気圧を

恨めしそうに見上げながら、

久しぶりに高田馬場に足を運んでいた。

池袋と新宿の2大ビッグターミナルに挟まれた、

場末間を漂わせる街だ。。 

山手線と東西線、それに西武新宿線が交差して、

乗り入れするやつは多いが、

なぜかちっとも栄えた雰囲気にならない不思議なタウン。

学生街で、しかもデタラメな数の専門学校がひしめく。

200万以上の大金を積んで、自宅学習でも十分取得できる

資格を取るために遥遥東京まで出てくる連中で

溢れている。。(勿論為になるとこもあるよ…) 

ストリート側も客のニーズをがっちりキャッチしていて、

大型パチンコ店、学生ローンという名の闇金、 

各種霊感商法や詐欺営業。。 

彼らを罠に嵌める準備は万端で、事実毎年多くのガキが

社会に出る前に大きなマイナスの洗礼を受けている。 

社会は恐ろしい。

親が教える意味と若干違うけど、いい教訓だ。。 

おれに至っては小さな時からそんな街。

表裏一体の人間社会については、

リッチーブラックモアのギタートーンと一緒に染み込んでる。

・・・だから捻くれたのか? 

          

             

             韓龍星

          

               

馬場に来た理由は人に会うため。

久しぶりに高校の後輩から相談を受けたんだ。 

まるで自分の部屋かのようにリラックスしてだべる学生で

ごった返したカフェで、やつは待っていた。 

会社員じゃ絶対着ない紫紺のスーツで、

足元は綺麗なチョコレート色のジョンロブの革靴。

彼の名は隼人。ファッションでわかったと思うけどやくざだ。 

と言っても中小どこで、少ない人数で細々とやってるそう。

風俗の広告をデザインしたり、サイト運営、

それから闇金よりはずっと良心的な貸金など。

今時のやくざは暴力なんて滅多に振るわないし、

頭が切れないと生き残れないのだそうだ。。

事実、おれの知り合いのやくざは、

おれが勤める大手企業社員よりよっぽどどいつも賢い。 

ニッチビジネスを見つける嗅覚と行動力。 

それにアメとムチの使い分け方も一級品だ。 

とはいえ、なるべく客としては関わらないに

越した事は無いけどね。。。 

久々に連絡を取った用件が連続恐喝事件の調査協力。

気持ちいいほどの効率化だ。。。

          

                  

              韓龍星

             

                              

話は前日に電話で聞いていた。 

4月の下旬から5月1週にかけて、

連続恐喝事件が発生してる。

被害者はどいつも若い女性。

大学生や専門学校生がほとんどらしい。 

隼人が掴んでいるだけでも既に8件。 

被害総額は10万程度とのこと。。 

犯人は若い韓国人らしき青年2人組。

おれに相談したのは、やくざが表立って通行人を

見張ったり声をかけたり出来ないからだそうだ。。

それと多分カリスマスカウトマンのユズへのコネクション。

         

え? 警察に頼めばいいって? 

警察が恐喝だけで本気で調査してくれると思うかい。 

暴力沙汰無し。

性犯罪性ゼロ。

被害金額は多くても2,3万。

良いところおまわりはチャリでパトロール

数週して終わりだろう。。

WINNYで性犯罪の被害者情報をばら撒いたり、

痴漢に性を出すのに必死だからな。。 

おまわりが犯罪を犯して、やくざが街の治安を守っている。

都会の七不思議候補にエントリーしといてくれ。。

                  

                  

              韓龍星

               

                   

隼人からの要望はその2人を掴まえることじゃない。

やくざがおまえらを捕まえようと調査に乗り出している

ってことを伝えるのと、被害者の一人から盗まれた

シルバーのブレスを取り戻すこと。。

被害者の一人ってのは隼人が熱を上げている

専門に通いながらキャバで働いている子。

シルバーのアクセをプレゼントしたのは隼人だ。 

そう、こいつは実に個人的な依頼なんだ。

だから協力してやった。 

やくざとしての依頼ならおれごときが受けられる

はずが無いからね。。 

それに恐喝犯だったら、脅しをかければきっと止めるだろう

って安易な希望的観測。。 

つくづく甘いのだ。

            

            

数分後、一人の若い女が寄ってきた。 

被害者A。

プライバシーの問題もあるから特徴は割愛させてくれ。

女性から聞いたのは被害者の出来る限りの特徴と、

例のシルバーのブレスを右腕にはめていたということ。。

それとどこで被害にあったかだ。

    

場所はなんと駅のゲートから徒歩30秒の

ガード下に隣接する雑居ビル近く。 

馬場じゃ有名らしい、希望を無くした若者を

食いものにするパチンコ店が入っているところだ。

そこでいきなり声をかけられ、

ナイフを突きつけられてビルの脇の

地下への階段へと誘導される。。

人手は少なく恐怖も助けて、

現金2万2千円が入った財布を渡したという。 

以上、情報。。 

隼人とおれは二人の韓流スターを目指して街へ出た。

フライングした高気圧の残していった熱で、

ネオンが灯りだした馬場の街は、皮肉にも快適だった。。。

             

                  

                  

                        

外国人犯罪は件数増加の一途にあります。 

くれぐれも読者の皆さんもご注意下さい。 

(勿論犯人が何人であろうと注意は必要ですが)

この事柄の本当の問題は解決手段が難しいという

ことです。。 

日本経済にとって重要な役割を担っている外国人も

たくさんいますし、悪人は一部に過ぎないのです。

ですが、その一部の人間が犯罪を起こすために

日本にやってきている。。 

私もどうするのがいいのかはわかりません。。 

大きな視点だと、外資参入危機とマーケット拡大の関係に

似ているかもしれませんね。 

日本企業が立たされている不安と期待の岐路と

住民社会が外国人に抱く不安と共存しなくてはいけない現実。

どちらを取るのも難しいですし抜本的解決の手が無い。。 

将来的に多国籍な国になるのは仕方ないですが、

その前に日本人はあらゆる準備をする必要があるでしょうね。

この国は異文化コミュニケーションに疎いのですから。

それは決して悪いのではなく、その文化がもたらした

功績も数多くあります。 だからこそ文化を守りつつ

異国と強調していく、

未来への順応性が求められてきてるんじゃないでしょうか。

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2007-05-20

日章プリズン 【3】

毎年、年度末の政治家のこづかい稼ぎの為に、

掘り起こしてはまた埋められるコールタール。

日向はシルバーグレー。日陰はアイアンブルー。

ちっとも交じり合えないコントラストが、

わき道の陣地を仲良く半々に分け合う午後3時ごろ。 

おれははやくも仕事を終えちまった。

おれがいる作家先生の家の隣は中学校で、

なんとも言えない懐かしい空気が漂う場所だった。

             

打ち合わせをした作家さんは、

還暦をとっくにスルーしたじいさんだが、

書斎の半分を占領するトレーニングマシーンの賜物か、

ケンシロウも真っ青の筋肉隆々さ。

強面も助けて、正面で対峙すると威圧感は抜群。

それでいて書類に不備は無く、文章も鋭さが衰えない。

挿絵のチョイスもお任せときてる。。

            

年をとるってのは、思うに昆虫の脱皮と

似た様なもんじゃないんだろうか。

昔は悪だったみたいな話は、方々で聞き飽きたが、

それでも積み重ねた年輪は、

毎年心臓に刻まれていってるに違いない。

アンチエイジングなんて、根底からして滑稽だってこと。

シワひとつ無い美肌も結構だが、

脳までツルツルなやつが増えてる気がするのは、

おれだけだろうか?

             

             

                ★

                

                  

理沙が現れたのは4時半ごろ。

場所は、駅前のスターバックス。

都市部では次々と出現する小洒落たカフェの影に隠れ、

最近は人気低迷だが、東京を一歩出れば、

まだまだ人気NO.1。。

その日も主婦たちで賑わっていた。

理沙は生意気にモカフラベチーノを頼んで、

あたりを見回して、おれを発見すると物怖じせずに

近づいてくる。。

          

え? 理沙っておまえの彼女かって?

ああ、悪い。 紹介してなかったな。

前の記事でメールを紹介したろう? 

あれの送り主さ。 

若き灰色の読者の一人だ。 

出発前に近くまでいくことになった旨と、

まだ少年の件が解決して無いなら連絡くれと、

おれの11桁の数字の鎖を書いておいたんだ。 

すぐに連絡が来て、

学校が終ったら連絡するとのことだった。

だから彼女はおれのステディなんかじゃないよ。

おれがプライベートで女縁が薄いのは認めるが、

10歳下の中学生に興味がいくほど落ちぶれてないよ。

もっとも、10歳上なら大歓迎だが。。

恋愛のマーケットは、いつだって若い方に間口を

広げているよな。

         

スーツ姿だってだけでおれを特定出来ちまうのは、

地方ならではだろうか。 

理沙は迷わずおれに話しかけてきた。

今時の中二の子。

長めの濃紺のブレザージャケットに、

胸元にはプラチナに光る校章。。

スカートはおれたちの世代と違って、

膝上7センチくらいで落ち着いている。

(7、8年前はパンツを出すのが当たり前な時代

だったからな。。今の中高生はなんてモラリストだろう)

髪の毛は流行のバイオレット系。

店内の照明で数色が折り重なったプリズムを生み出す。

       

彼女が誰なのか特定されるのはまずから、

聞いた内容だけ書いていこう。

                   

・いじめはまだ続いている 

・担任の小林という教師が先導してやっている

・生徒たちの両親の多くも、なぜかその少年と仲良くしては

 いけないと言い出している 

            

ただ事じゃないのはガチ。

教師が生徒をいじめるのは昨今当然の様に起きる事件。

だけど地域ぐるみで一人をイジメ抜くなんて、

本当にありえるんだろうか? 

まつ毛だけマスカラを丁寧に添えた少女に、

心当たりのある原因を聞いてみた。。。

ここだけほぼノーカットで書くよ。

あんたも心して聞いてくれ。 

こいつは御伽噺なんかじゃなく、

日本で現実に起きてることだ。。

            

          

                ★

             

                   

少女の証言。

『ツネユキ君(イジメにあってる少年ね。仮名だけど…)は、

新学期はじめの始業式の行進で…、

ああ、うちの学校なにかにつけてみんなで校庭を

行進するんですけど、、

クラスごとに1列作って、

クルクル校庭を回りながら行進すんだけど、

その行進の時に、朝礼台に立つ校長と、

国旗の前を通るときに頭右(かしらみぎ)をするんですよ。 

学級委員が号令かけてね。

それをツネユキ君たち5人くらいのグループがちょっと

ふざけてやってたらしいんです。 

そしたら校長がすげー怒っちゃって、

すぐに校長室に呼ばれた。。 

その後、担任の小林にもすげー怒られたらしいけど、

まぁその時はみんなも校長の機嫌が悪かったんだと

思って怒られたツネユキ君たちを、運が悪かったなって

笑ってました。 

男子ってそういうふざけて目立つみたいなとこあるでしょう?

(おれは頷く) 

まさにそれでした。。 

その時だけ怒られて終わりって感じだろうと、

みんな思ってたはずです。』

フラペチーノを一口啜る。 

温度が少し下がって飲み頃のようだ。

                        

『だけどそれから、ツネユキ君たちは何かにつけて

小林に怒られるようになった。 

忘れ物をしたくらいでひどく怒られることなんて

他の人は絶対あり得ないのに、

生徒指導室で1時間説教されて、反省文提出とかね。

女子グループも、ちょっとかわいそうとか言ってたけど、

小林に嫌われたんだろうくらいに思ってた。』

おれは黙って時折相槌を打ちながら

メモを取り続けていた。。

彼女の感じたままの意見が欲しいから。

       

『だけどそれからすぐにあった部活発表会で

全部変わった。。 それに一握りの生徒は

この学校、街の実態も知ったと思う…。 

4月の部活成果発表はツネユキ君が所属する

歴史研究部とブラスバンド部の番だったんだ。 

ブラスバンド部は、なんかよくわからないクラシックと

タキツバの新曲を吹奏楽にアレンジしたやつをやって、

パラパラした拍手を貰ってた。。 

それで歴史研究部の発表に移ったんだけど、

その内容が問題だったみたい。

その発表がまだ終ってないのに、先生達が騒ぎ出して、

教頭が急に、発表の途中ですが時間の都合でまた次回、

とか言い出して止めさせちゃった。 

時間はまだまだあったはずなのにね。 

でも、そのときもまだほとんどの子は疑問なんて

持ってなかったと思う。 

だけどそれ以降、小林はわかりやすくツネユキ君をいじめる

ようになった。 そう、絶対いじめなの! 

雑用を全部彼に押し付けたり、

何かにつけて貶したりする。 

それいツネユキ君が休んだときに、帰りの会の時に、

あいつは色々問題があるから、改善されるまで

悪影響があるからみんなあまりしゃべらないようにと

何度も念を押してたの。 絶対おかしくない? 

勿論彼の友達ははじめは無視して話してたけど、

先生たちは見つける度に注意するようになって、

結局段々話さなくなっていった。 

噂では親にそう言われてる子もいるって話。

おかげで今日も授業前の出席で呼ばれてなかったよ。』

         

            

おいおい。。

正直おれも凄すぎる話だから、

悪いけど中学生に嵌められてるのかと思っちまった。

だってそうだろう? 

いくら悪い生徒がいたからって、そこまで徹底して

やるなんて聞いたことが無い。

疑わないにしても、ツネユキってやつは一体何をしたんだ

って思うのは当然だろう? 

と言っても、本当の教育の現場を知ってるのは

通う子供と教師だけ。

おれみたいな蚊帳の外の大人は勿論、

教育評論家や両親でさえ、薄っぺらなわかったふりを

してるに過ぎないんだ。 

あんたがガキの頃を思い出して見れば

それは明白なはずだ。

でも、気になるのはツネユキ少年の発表内容。

教師を焦らす謎の研究ってのは一体なんだってこと。

理沙や友達は携帯メールに夢中で

あまり聞いてなかったらしく不明。。 

おれは個人的興味でその少年と合わせてもらうことにした。

まさかとんでもない背景があるなんて、

ちっとも知る由もなくね。。

偽りの平和ってのは、ちょっとの好奇心で

あっさり崩れちまうものなのだ。。

         

               

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2007-05-18

日章プリズン 【2】

年を取るごとに知識が増えるってのは、

あれはイマイチ信用出来ない。。

なぜってガキの頃にはパラパラとめくれば暗記できた

ごくごく簡単な小冊子だって、誕生日を数えるごとに、

不気味なまでに飲み込みが遅くなってやがる。

それを補うように、大人になればなるほど、

記憶の海に浮かべる小舟を、

要領よくまとめる作業を無意識にしてるんじゃないだろうか?

仕事の知識や、美人が所属する部署の番号、

社食のおばちゃんに大盛りにしてもらう合言葉なんかを

養殖場の様にきれいに並べて、

使用頻度の少ない泥舟は、忘却の滝に流し込む。。 

残酷なまでの効率化を図っているのは、

ゴーンや人材派遣会社だけじゃないってこと。

         

               

               ★

               

                              

ところが子供の脳はちょいと違う。

情報の引き出しの取っ手はデタラメに平等で、

どれにも同じように金のアクセサリーがぶら下がる。

どんな些細なことだって、例えそれが大人の目には

濁ったココアブラウンに見えたって、

子供の光速を超えてる英知のCPUには、

エメラルドグリーンに輝いて見えたり

するんじゃないだろうか?

             

                  

               ★

            

                           

おれは多分前者と後者の中間点。。

会社員に求められるのはゴーン脳だろうが、

職業柄、ばっさり全てを整頓する訳にもいかない。。 

故にひょんなことから、小さな記憶が現れて、

現実にリンクしたりする。 

例えばあの日もそうだ。 

仕事で栃木の、将来のベッドタウンを有望視されてる

ちょっとばかりマイナーな土地へ赴くことになった。 

都心から片道で軽く2時間を越える場所だが、

原稿を受け取って、それにあった写真を撮って、

打ち合わせして帰る。

やることはこれだけだ。。

極小歯車の仕事というのは、こんなことのループ。

1泊2日でこんな仕事をしたって、

ちっとも嫌じゃないのは、おれの感覚麻痺だろうか? 

おれたち8割の被支配者には、

自民の資金搾取の罵声や、

学会の洗脳の電波の発信音など聞えやしないからね。。

               

だけど行き先を見て、記憶がかゆくなる。。

そう、最近おれはこの地名を見た。。。。 

で、思い出したのだ。 

読者からのメール。 

3週間前ほどに中学二年の少女から送られきたものだ。 

内容は相談(だと読んだときは思った)の一つで、

          

[今うちの学校ではすごいいじめが起きてる。 

私のクラスメートに対してのもので、普通のいじめとは違う。

それは学校全体での無視。

生徒は勿論、先生までもがその子を軽蔑して扱う。 

先生たちは、その子が悪いから当然だというけど、

ちょっと違うと最近思った。

こんな状況だったらKENはどうする?]

             

ってな内容。。

おれの返事は、

         

[いじめを根本から救う方法は多分無い。 

おれが何か方法を考えて、少年の立場を一時的に

回復出来ても、その後に待つのは友情とは程遠い、

おさむい友達ごっこになるし、 

かと言ってイジメハイケナイとか、ドチラニモセキニンガアル

なんて、見当はずれなコメントをするワイドショーの専門家

みたいな、馬鹿な台詞をあてがっても何も解決しないし、

おれはそこまで中学生をなめてない。

教師がいじめに参加するのはめずらしいことじゃないしね。

教師のほとんどは、世の中や社会を知らずに育った人種。

(こいつは教員試験制度上仕方がない)

そんな彼らに社会とは、人間とはなんて語らせるのは

大間違いなんだから。。

勿論、その少年はかわいそうだと思うけど、

決定的な改善策は無いよ。 

ただ、君がこそっと帰り道に、つらいだろうけど頑張ってね、

と言うだけで、その子の気持ちは千倍楽になると思うよ]

         

って感じ。

勿論もっと丁寧な口調で書いたけど。。 

一見酷な様だけど、たくさんのいじめのケースを

見てきたから言えるおれの結論。。

いじめに効く特効薬は無いのだ。 

あえて言うなら、ブラウン管の中でいじめについて

好き勝手に机上の空論を繰り広げる馬鹿達を

黙らせれば、もうちょっと件数は減るだろうが。。

それも根本的な改善策には程遠いしね。。。

            

ただしこれはイジメに対して言えること。

一見イジメに見えて、それが本当はてんで別物なら

話は全く変わってくる。

・・・・・・そう。

少女の目にはイジメ被害者に映ったその少年も、

灰色のレンズで覗けば、ただの心の集団リンチだったのさ。

「カシラミギが出来ないなんて、おれって本当にシャカイアク

だよね…」 

そんなことない。。そんなことはないんだ。。。 

彼はもう戻ってこない。

            

                     

              |_____~~~~|

               

                          

ぼくのクラスは2年D組。

正面に見える白い塔があるでしょう?

あれが職員塔で、両サイドを固めるのが校舎。

そっちじゃないよ、

C組とD組、それに障害児学級は左の校舎。 

右の校舎はそれぞれの学年のA組とB組が入ってるんだ。 

噂では、障害児学級と同じ校舎に子供を入れたくないって

苦情が多いらしくて、そんな親を持つ子供達だけで、

A組とB組は作られてるって話だ。

入学時に、ぼくの母さんにもその話をしたら

「あんまり気にしないけど、PTAの役員になれるのは

A組だけだって聞くから、電話しようかしら」

なんて言ってたけど、ぼくが必死に止めてもらったんだ。

だってそうでしょう? 

障害児学級の子がかわいそうとか、

染色体がどうとか難しいことは良くわからないけど、

あの学級との合同給食や、

運動会での協同玉ころがしだって、

一度も嫌な思いはしたことない。。。

なのに毛嫌いするのはなんだかなぁって感じでしょ? 

ちなみにA組は何故か合同給食も協同玉ころがしも

スケジュールに組まれない。。

その代わりに老人ホームのお年寄りとの

地域コミュニティー会への参加があるんだけど。。 

障害児とご飯を食べるのは駄目で、

老人と遊ぶのはOK。。

最近、ぼくは大人ってのがよくわからないんだ。

            

                   

               |_____~~~~|

                  

                           

靴は適当に空いてる下駄箱に放り込んどいてよ。

ぼくと一緒に入れときたい? 

君が帰り道に片足素足で帰る勇気があるなら

それでも構わないけど、あんまりお勧め出来ないよ? 

先週ぼくが体験したけど、

目じりに水分がたまるほど惨めだからさ。。

      

         

あっ!一つだけ忠告しておくよ。

もしぼくになにかあっても、手助けしたり、

下らない喧嘩をおっぱじめたりしないでよね。 

先生曰く、悪いのはぼくなんだし、

第一シカトなんて大概すぐに飽きてしまうものさ。

ぼくの前は生活委員のまっちゃん(松井恭介)が

ターゲットだったけど、春休みが明けたらすっかりみんな

忘れてて、普通に話してたからね。。

それに一度シカトされたやつは滅多なことでは、

再びターゲットにされないっていう法則がある。 

要は、ぼくは今シカトされてるから、

大事な来年の受験シーズンに余計な心労負わなくて

済むんだから。。

本当は1、2週間くらい仮病使って休めば終るかと

思ったんだけど、母さんがそうはさせてくれない。

だからぼくは仕方なく、我慢の時期を過ごしてるって訳。

だから、せっかくのぼくの我慢を無駄にしないでよね。

大丈夫、クラスで一言も話さないのは、逆に新鮮だし、

いたずらだって、先週の靴が無くなったのと、

(お気に入りのルコックだったけど…)

授業中にぼくの携帯にワンギリしまくられて、

電池が昼休みにはなくなっちゃったくらいだからさ。

携帯が無いと不安になるほど、

ぼくはテレビに依存してないよ。。

それに寂しくなったら休み時間に、

D組のクッシーとジュンヤのところに行けばいいんだから。

彼らはぼくとおなじ歴史研究部で、小学校の時からの

腐れ縁仲間だ。 

互いを親友なんて呼ぶのはドラマの中だけだけど、

ぼくらは本当に仲が良く、

三人の母親も父母会では同じグループで、

三人の父親とも地域密着の有名企業で

働いているっていう、奇妙な共通点があるんだ。  

だからそっと見守ってくれてればいいよ。

            

              

              |_____~~~~|

          

                         

本当に誰も君にしゃべりかけないねぇなんて、

関心したように言わないでよ。

でも、この学校のシカトの完成度は高いよね。

ぼくが授業中、どんなにおかしい間違いをしても

みんなはピクリとも笑わないし、 

授業中のとなりの人と、英語で話してみようなんて

イングリッシュティーチャーの余計な計らいでも、

となりの席のソフトボール部の近藤桜は

真っ先に前の席の組に

「となりがいないから私も入れて!」

と言って3人グループを作ってしまう。

4-3=1。 

小学1年生でも出来るこの数式を、

ここ数日でぼくは何度解いたことか。

             

             

                |_____~~~~|

            

                  

今日の時間割は、

午前は国語と数学と地理と歴史で、

午後は書道と音楽だ。 

比較的楽かな。

午前中はひたすら先生の説明を聞いてればいいし、

4時限の歴史はぼくの大好きな分野。

午後の書道なんてもともと一人の世界だし、

おしゃべりは禁止だ。

音楽に関しても、合唱曲より80年代のロックが好きな

ぼくは、もとから適当に口パクでスルーしてたから。。

何より担任のコッバの体育が無いのは嬉しい。 

あいつはぼくを目の敵にしてるとしか思えない。 

体育用具の片付けや、野球用のライン引きを

休み時間中にやっておけとか体育員じゃないぼくに言うし、

最近じゃ、廊下でそれ違うときに

「左翼の息子め」 

と小声で言ってくる。 

サヨクってのの定義については、歴史研究部のぼくでも

即答は難しい。

図書室の参考書に載っている事項と、

ぼくの父さんの思想が同じなんだろうか? 

とは思ったりもしたけど、

父さんが市民運動に参加したのなんて見たことないし、

選挙にだって、会社命令で自民党候補に入れてる。 

それでも大人からみたらやっぱりサヨクなんだろうか? 

ウヨク、サヨク。 

どっちも子供にとっては耳障りで、

何か暴力性を匂わせる言葉。。

関わりになりたくない言葉なんだけどな。。。

            

                                  

              |_____~~~~|

            

                     

あれ? まだいたんだ? 

よく人の授業に6時間も付き合えるね。。

ぼくの無視されている様を見て面白かった?

数学の宿題の答えあわせで、

一人一人答えを言っていくのに、

ぼくだけ飛ばされたのが傑作だった? 

それとも音楽の時間に、ぼくに配られたカスタネットが

噛み合わせがおかしくてちっとも音が鳴らないのが

愉快だった? 

無理せず笑ったらいいのに。

ぼくだって、そんなあわれな待遇の子がいたら、

悪いと思いつつも横隔膜の振動を抑えられないもの。

         

       

ちなみにぼくはこれから部活だから、

あなたは適当に遊んでたら?

校舎裏の倉庫に行けば、古くなったサッカーボールや、

サドルが擦り切れた一輪車ならあるからさ。

あっ! でも裏庭の壁近辺では、サッカーや野球は

しないほうがいいよ。 

あそこの壁を越えた先の古びた一軒家には、

マッスルが住んでるから。

マッスルってのは、作家のじじいで、

つるつる頭なのに、白髪の顎鬚をたっぷり蓄えた

こわもてだ。

ペンしか持たないはずなのに、異様にがっしりしてて、

大島先輩が、一度サッカーボールをけり込んだ時に、

半殺しにあったって言ってたからね。 

だから遊ぶなら、テニス部の脇のスペースで、

的当てでもやっててよ。

おなかが空いたら、正門向かいのローソンで、

からあげ君のチーズ味でも胃袋に突っ込んどいてよ。 

え? 歴史研究部も見てみたい? 

えー!! 部活はいいよ!!

だってぼくの真空生活は十分見たでしょう?

部活の時間は大丈夫だよ。

ぼくとクッシーとジュンヤしかいない寂しい所だけど、

あいつらはぼくを無視したりしないから。

それに今、夏の▲▲市中学研究発表のために、

中臣鎌足について研究してるところなんだから!

蘇我氏による一族武力支配に対して、

中大兄皇子らと結託して革命を起こしたのに、

中大兄皇子ばかりが有名になっちゃって、

鎌足は微妙な位置づけ。。

彼は後の藤原氏の繁栄を決定付けた

重要人物だってのにさ。。。 

え? あなたもそう思うの? 

そうなんだ! 奇遇だね!!

だったら是非来てよ!

なんなら一緒に研究しよう。

部長はぼくだから大丈夫。

入部届けだせばすぐ入れるからさ。

そうだね、とりあえず見てみないとね。

じゃぁ早速行こう。

部室は職員塔の第二社会科準備室だよ。

[つづく]            

               

                

本当は私のコラムを裏ブログで、

ツネユキ少年の手記を元にした部分を表ブログで

書いていこうと思ったんですけど、

最終段階で少年の描写を難しくさせるので止めました。

要は私の腕が悪いってことです。 

今、続きの問題に発展しそうで、

頻繁にメールのやりとりを話の関係者としています。

記事に出来るかどうかは承諾や内容にも寄りますが、

要望があるようであればまた書きたいですね。

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2007-05-17

日章プリズン 【1】

膨れに膨れた540兆なんてふざけた数字のGDPを

誇るこの国の、多くの人間にとって、

きっと朝ってのはデタラメに早く過ぎゆくでしょ? 

出社時間や登校時間から、通勤時間を差し引いて、

それからスーツに着替える時間も、

ファンデーションを塗る時間も忘れずにね。。

残った時間をあなたは寝ることが出来るんだけど、 

多忙な日本人はその引き算が大嫌いで、

度々甘い答えをはじき出す。

実生活の算数はいつだって残酷。 

             

               

だけどぼくの朝の時間はとんでもなく長いんだ。 

隙間無く並べたはずの、

この●●団地のジオラマでも、

太陽が隙間を縫って朝日を差し込む30分前には、

ぼくはとっくにドリームワールドを脱出して、

厳しい現実の天井を、ベッドから眺めてる。。

2年前に貼ったぼくの大好きなディープパープルの

ポスターが、所々擦り切れて寂しげだ。

リッチーだって、中二の少年の不登校願望までは

面倒見切れないだろうからね。

         

               

そう、僕は学校に行くのが嫌で嫌で仕方ないのだ。

え? 会社や学校が嫌なやつはいっぱいいる? 

違うよ、違うよ!

面倒くさいとか、だるいとか、そんなんじゃない。

僕が学校に行けない理由は一つ。

他の子と考え方が違うだけ。。

それもたった一つの事柄の受け取り方が。。

ぼくの脳の電気信号は、ちょっとばかり不良品で、

「あること」を正確に信号変換処理できなかったんだ。。

だからみんなから、おまえはおかしいと糾弾される。

クラスに変人の居場所は無い。

担任の「コッバ」だっておまえの考えは社会悪だという。

だからぼくは学校に行きたくないと思うようになったんだよ。

クラスメートの総シカトなんて

ヘッチャラってのは強がりだけど、

何よりぼくの脳みそはシャカイアクだってことの方が

ぐっと堪えたなぁ…。

なんてことを考えてると、何の役目も果たさない

目覚ましが耳障りな電子音を鳴らす。 

そう、ぼくは結局学校へ行くんだ。

理由はあと5分もすればわかるよ。 

            

                     

             |_____~~~~|

              

「ツネユキィ!!起きなさーい!!」 

桃色の斑点を白地に無数にあしらった

最低にいけてるセンスのパジャマで、

ぼくの母さんは起こしに来た。。 

「ちょっと具合悪い。。。」

秀才の松野君なら、これだけできっと一日

休めるんだろう。。 だけどぼくは違う。

「はいはい。いいから起きなさい」 

仮病ならとっくに何度も使ったよ。

4度目からは母さんには無力な策になった。

               

クラスの一番の勢力を持つグループの

華美斗(カビト)や天牙(テンガ)達は

(最近のガキの名前はまるっきりデタラメでしょう? 

って言うのは、この話に出てくる怪しげなライターの

兄ちゃんの受け売り。) 

自分の母親をババァと呼ぶし、

ぼくも彼らとしゃべれたころは、

とびっきりの罪悪感を感じながら

口慣れないその三文字で母親をそう呼んでたけど、

家に帰ったらバリバリ母さん。。いや、お母さんかな。

ぼくはシャカイアクな上に根性なしな様だ? 

でも、母親をババァやおふくろと呼ぶのがクールって

いう流行なんて、テレビが作り出した蜃気楼じゃ

ないんだろうか…?

いや、学校にいる自分ってのは、

誰もが理想を投影する蜃気楼なのかもしれないけど。

               

                        

             |_____~~~~|       

                  

                     

笑顔は家族の繋がりにおいて重要。

これはぼくの父さんの口癖。 

故にぼくは今日も間抜けな顔で、

スクランブルエッグとバケットを片付ける。

隣では妹の夢香(ユメカ)も目を半分瞑って

半笑いでイチゴジャムをたっぷり塗ったパンに

噛み付いていた。。 

あいつは最近、男はとか、社会ってとか、

難しいことを口にする。

小4の癖にませてると