2009-04-21

オリンピック待望論

五輪の調査委員会が、おそらくどっかの大使よりも

VIP待遇だった夢の時間を終えて去っていった。

この調査の為に、東京都はどれだけの金を使ったこ

とか。

勿論、五輪によって国民の暮らしがよくなるってん

なら、是が非でも誘致してもらいたいし、協力もする

だろう。

だけど、今のこの国のシステムでオリンピックをやる

ことが、庶民生活を向上させることに繋がるとは

到底思えない。 

ここ一ヶ月、都内のJRやメトロの張り紙広告に、

こんな文句が書かれたものが大々的にアピール

された。

[東京五輪で日本を元気にしたいのです。

誇りをもった日本を取り戻しましょう。

市民が楽しく豊かに暮らす、東京を世界に

アピールするチャンスです。

世界中の人が、東京を見て驚くに違いありません]

これを発端に、利権に取り付かれた連中の力に

よって、東京は【劇団五輪賛成団体】に仕立て上げ

られ、それを見てIOCは満足げに帰りましたとさ…。

   

実際のところ都民がどう思っているかは言うまで

もない。行く先々で口から出るのは、

[内需がないから利権者が必死なだけ]

[また自民党の金儲け]

[都民の是非も問わずに勝手に税金での損失

補填を、ニュースにもせずに決めてしまっている]

と散々だ。

たとえ五輪特需があったとしても、それを国民に

分け与える気がこの国の政府にないのは、

第二いざなぎでじゅうぶん過ぎるほどわかったはず

だ。

列車内の広告の一枚に、油性マジックでいたずら

書きされたものがあった。

[東京五輪で自民党を元気にしたいのです。

愛国教育がされた日本を取り戻しましょう。

市民が奴隷のように働く東京モデルを世界に

アピールするチャンスです。

世界中の人が、東京を見て驚愕するに違いありません]

性質の悪いいたずらだ。

それは張ってある広告にやるんじゃなく、

書き換えたものを永田町に張ってくるべき

なんじゃないのか。 

         

国全体が五輪を望むかのように演じたニッポン。

北朝鮮を少しも笑えないことに、

タイムリーな話題だから、けっこうな国民が気付い

ているんじゃないのか。

利権の独占のせいで落ちぶれたゼネコン、

真実を報道してこなかったツケが回って下火の

マスコミ。

支持率回復に黒い金を使いすぎて資金調達に

必死な自民党。そしてその旗本の石原。

平和の祭典を望む連中が、こうも真っ黒なのは、

なんでだろうな。

         

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2009-04-20

永田町の現在地

自民党はうまい具合に逆転のシナリオを進めている。

「総理が解散を見極めるのではなく、自然と見えた

勝機に乗ればいい」

なんて発言が、先週あった幹部からも飛び出してたな。

そんなことが言えるのも余裕があるからだろう。

与謝野に指揮権が譲渡されてから、自民党の好転

はすごいもんだ。

麻生は完全にお飾りに成り下がったが、

それでも顔としての役割は最後まで果たさせると

きつく言われているとのこと。

あの麻生が、ここまでノケモノにされて黙っていると

不思議にも思ったが、公明党の子供手当てや中小

企業への見せ掛けの配慮を与謝野が飲むことを

条件にしてたんだと。

それを聞いてようやく合点がいったよ。

学会にここで恩を売れるのは大きい。

野党の政治と宗教についての答弁を封殺した件と

合わせて、これで麻生は2ポイントも公明に貸しを

つくったことになるわけだ。

      

民主は資金力の差が形になって現れてきた感じか。

加えて小沢のスキャンダルと春闘の最悪の結果が

大きく影響していると思う。

民主党の支持者である労働者たちが、自民党支持

者である経営陣、資本家たちに完膚なきまでに叩き

のめされた今年の春闘。

当然これは自民と民主の力関係にも大きく影響して

いる。

普段あれだけビジネスだの経済だの言っている某

新聞もビジネス雑誌も、そろってだんまりだから、

心を鬼にしてあえて言おう。

この国の支配者たちは、もう労働者をロボットだと

しか思っちゃいない。それを感じずにここ10年を

過ごしているなら、完全な無駄金だ。新聞なんて

取っている意味はなにもない。

         

共産党の躍進はどうなんだろうな。

おれの通勤ルートにもけっこう頻繁に共産党の係り

だか職員だかが活動内容をまとめたチラシを配っ

ている。

三十分くらい観察してたが、以前より喰いつきがい

いような気もする。 

確かに共産党はねじれ国会以降のベストファクター

だといえるかもしれない。

この短期間に、政治の闇をいくつ暴いたかわから

ないし、あの党首のおっさんがいなければ、日本人

は未だに政府と官僚が仲良く消費するための年金

を、崩壊していることも知らされずに笑顔で払って

いただろう。

国民に貢献しただけのバックが得られる仕組みが

あるのはいいことだが、そうシンプルでもないのが

永田町の黒さでもあるんだけどな。

       

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2009-02-01

お知らせ

今年やろうと思っていること第一弾。【HNN】の復活を早

速実行することになりました。

と言っても数人だけでやるローカル版です。

基本的に趣旨は変わりませんが、ユーモアやエンターテ

イメントを意識して、配信側も読者も楽しみながら、

マイペースで更新していけるものを目指します。

HNNでやろうと思っていた企画も随時やっていけたら

とは思うので、気楽に訪れてもらえたら嬉しいです。

      

はりねずみニュースねっとわーく

http://bukuro.air-nifty.com/hhn_l/

      

KEN

    

      


2009-01-28

給付金の行方とか

いよいよ定額給付金が配られることになったけど、

東京じゃ光が丘団地問題ってのがあるらしい。

委員会の人によれば、

「東京練馬区の巨大都営団地群の光が丘だけで、およそ

11万人に給付される。まあ数はさほど問題じゃないんです

が、家庭内暴力や虐待等の被害届けが多いんです。

そこで一人一人に支給をしても、結局DVを働いている夫

や、子供虐待している母親などにお金が渡ってしまい、

酒やギャンブルに使われてしまうと思うんです。

それを解消する為の方法を現在自治体と調整中です」

だとさ。

定額給付金とDVは関係ないだろう。

金をばら撒こうがばら撒くまいが、DVの届けは別途対応

しなくちゃいけないことだし、家に舞い込んできた金が

家主にいっちまうのは仕方ないことだ。

それに酒(おそらくキャバクラとかの風俗を指すんだろう)

やギャンブルに使われるのが何が問題なんだ。

元々国民に消費してもらってなんぼなんだろう。

全方面の反対を押し切って、宗教組織票を回していただける

公明党の為に麻生が権力を行使して押し通したわがままだ。

使ってもらえるだけでもありがたいんじゃないのか。

それでもパチンコに消えるのは駄目で、カーナビでも買えと

言うんだろうか。

二兆円の目くらましに踊らされてる有権者もどうかしてるが、

成功の見込みがゼロの施策を税金つかってあーだこーだ

やってる役人も役人だよな。

おれは多分民主党だか共産党だかの野党に寄付するよ。

結果めぐり巡って本当の国の為に使われることになる。

    

         

三月で雇用を打ち切られる労働者の概算が出た。

派遣社員四十万人。

正社員六万人。

セーフティネットを構築してこなかった(する気すら自民党には

ないが)この国じゃ、この数値はそのまま絶望に変換出来る。

この数値を受けて自民党がやったこと。

あんたもニュースで知っているかもな。

経団連副会長を呼んで、

「雇用の確保を‘出来るだけ’やってください」

「そうですね。‘可能な範囲’で頑張ります」

という笑顔の会談をやっただけ。

この経済情勢でまだあんなコントが出来る心の麻痺具合に

脱帽だよ。

派遣会社と経済界と政府の三者で、アメリカの年次改革要望書

を嬉しそうに手にして、今日の日本を目指したときみたいに、

もっと積極的に動いたらどうなんだろう。

彼らは何もしないよ。

何故なら今のこの派遣切りや雇用不安定は、

彼らが望んで来るべくして到来した完成形なんだから。

これで人件費は一層ダンピングされて、日本人の三割は

汚い台の上に異国の貧困層と一緒に並べられる。

安い賃金で働くと言ったほうが連れて行かれ、残ったやつらは

六十兆の蠢く島の底に沈んでいくのだ。

まあその目論見も自民党が失墜することでなんとか紙一重で

消滅出来そうだけどね。一安心だ。

野党は動きが早い。

もはや政権交代が確実なだけに、自民党を無視して

経団連へ派遣契約を切られたやつらを対象にした資格取得の

大規模な施設の運営をしろと意見書を出している。

おまえらが原因なんだから当然おまえらの有り余っている金で

作れってね。

正論過ぎるんだが、政治家が国民の為に動いていることって

なかなか見れないもんで、すげえ違和感があったよ。

時代はもうすぐ変わるんだな。

最低な時代だけど、日差しは第二いざなぎの時よりずっと

おれたち小虫には明るい。

            

            

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2009-01-22

自由の代償

予測されていた雨雲が、気象モニターをあざ笑うかの

ように緩急つけたドリブルを披露して、

散々じらした挙句に、雑巾から搾り出すような灰色の

雨粒を関東に降らせた。

東北や北海道の読者は怒るだろうが、

三度の中傘をさして歩くのは骨なんだ。

足は震えてくるし、唇は色素を高速で失っていく。

ポケットにいれた熱が飛んだ携帯のフレームが、

布切れ一枚で太ももに張り付くのがにくい日。

そんな冷たい風をよそに、ただただそいつは

立っていた。

周りは真空。

おそらく色んなやつの思いがこの場所を通り過ぎて、

全部を飲み込むでも聞き流すでもなく、

辺りの空気を無差別に吸い込んで、

ただポツリと立っているんだ。

その場所には地層の奇跡によって生み出された

見事な色合いの石が、正確なスクエアにカットされ、

新しい旅立ちの名前をもらって、少年が静かで永遠の

眠りについていたんだ。

この国じゃちょっと前まで喧嘩と火事はなんとやらと

風情を持たせて呼んでいたみたいだけど、

今は自殺と過労死に席を譲っている。

その少年も、毎日当たり前のように起きている

華の一部で、特筆されることもなく、病院で家族に

見守られて死んだじいさんや、長寿をまっとうして

目を瞑るように息を引き取ったばあさんと同じように

並べられ、家族の参拝を受けるのだ。

なあ、死は誰にでも訪れるし、ある意味平等だ。

だけどその直前までの刹那の時間を、おれたちは

一体何を求めて過ごすんだろうな。

少年はその小さな器に何を込めて、

短き永遠を生きたのだろう。

      

         

今日の午前中、群馬の某所に行った。

地方の町じゃありがちだけど、大きな企業が支社や

工場を構えて、雇用や税金の大半を握ることによっ

て、市政への影響力や役所とのズブズブで、

その企業の社員が飲み食いして落とす金で商店街

が成り立っていて、事実上いち企業が町そのものを

支配しちまっている構図があった。

住民の実に三割がその企業の関係箇所で働いてい

て、学生もバイトで携わるし、

その町の中では○○に勤めている人かどうかで

人間が分類されるのだ。

最低なのは子供の世界にまで、そのカスみたいな

バランがさされていること。

高橋くんのお父さんは○○の営業課長です。

鈴木さんのお父さんは工場長です。

教師がそんなことを日常的に教壇から振りまくんだと。

○○に勤めているか、関係していることは良いことだ

って定義を刷り込んでいるのさ。

そんなしきりがされた牧場で放し飼いにされれば、

そこで起こりうる化学反応は、文系のあんたでも

容易に察しがつくだろう。

「田中くんのうちは○○から仕入れをしていないんで

すって、うちの主人が漏らしたのよ」

と高橋君のお母さん。

「うちの主人も言ってたわ。

この町に住んでてよくそんなことが出来るって」

と鈴木さんのお母さん。

母親たちの陰口はコンマ二秒で子供に感染して、

田中さん家の太郎くんはいじめにあうようになった。

そのいじめがどんなものだったのか、

詳細はだれも知らない。

何故って被害者の太郎くんは、誰にも打ち明けること

なく、黄泉の国へダイブしちまったんだから。

少年が自宅近くの団地の広場で、冷たい塊になるまで、

町の住人達はとことん追い込んだのだ。

少年は無言で旅立ったが、相談してたって無駄だった

ろう。役所も教師も全部がグルだ。

彼は彼が持つまだ小さき世界に否定されて、

親が原因でいじめらたことで両親にも相談出来ず、

せめていじめていたグループのリーダーが住む

団地で最後を遂げたらしい。

自由経済って恐いよな。

子供の世界にまで飽くなき欲望を持ち込んで、

たちまち全部をぶっ壊しちまう。

キョウソウリョクの前では、小さき命なんてどうだって

いいのさ。

      

おまえはよく生きた。

両親は太郎くんの墓に最高のキスをして、

また仕事に戻っていこうとする。

記事にするかしないかは任せるといってね。

「どうしてここまでされて町を出なかったんですか」

って最後に聞いたんだ。

別に答えはありふれたものだったよ。

先祖から引きついた商売があるし、それに太郎がいる。

あいつ(の墓)を残して遠くにはいけないってさ。

      

太郎はその短い生涯の最後を、否定されて遂げた。

やつの周りの学校の同級生、教師たち、支配している企業

の社員たち、役所、もしかしたら警察なんかも。

ざっと数千人ってとこか。

数千の否定を訳も分らず打ち付けられて、悲しみの上で

朽ちたんだろう。

だからせめてあんたやおれだけでも、肯定してやりたい。

この国がアメリカの言いなりになって実行してきた

最低の宗教じみた経済と価値観に否定されたところで、

そんなものは逆に嬉しいくらいで、

おれたちはおまえの全部を肯定してやるってな。

       

         

       

こういう町は結構あるだろう。メールにも何度か具

体例をもらった記憶がある。こういう町の隠れた悪

習として、経済界の小さな支配国家と化してしまうん

だ。

選挙なんてやるまでもなく自公が勝ち、住民は事実

上選択の余地を与えられない。今日の記事を読む

と、それも理解してもらえると思う。

おれがどれだけ世論が傾こうと、油断すれば今の支

配者は国民感情だけでは倒せないと言うのも、こう

いう部分があるから。国民が60年間ロボットに成り

下がっていたツケを、こうして何の罪もない命が代償

を払わされる。腹がたって仕方ないよ。

もう良いだろう。おれたちは当たり前の自由を手にする

ために、どれだけの犠牲を払うんだよ。

      

      

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2009-01-21

本物の朝

オバマの大統領就任式は、現地に80万だとか100万の

国民が駆けつけて、中継したテレビ視聴率も高かったら

しい。

マーケットは利益確定のおいしいポジションだっただけ

あって、流行のFX組はモニターとにらめっこだ。

日経平均はあおりを食らって下げたけど、言うほどじゃ

なかったし、当たり前だけど手持ち資金が潤沢じゃない

限り、こういうときの勝負は手を引いた方がいいよ。

   

オバマについては散々書いてきたし、重要なのはこれ

からどうするかだから、今回は別の視点で見てみよう。

注目したのはホワイトハウスじゃない。

オバマ祭りを繰り広げている米有権者たちだ。

       

         

自国の新大統領就任を歓迎するのは悪いことじゃない。

時代がこれだけ混迷しているし、アメリカに至っては

国の存亡にすら関わってきそうな事態だ。

そんな時に突如現れた新生を英雄として崇めたい気持

ちもすごくわかるよ。

でも、だとしてもちょっと異常じゃないか。

オバマ待望論のすごさは正直恐いくらいに映る。

マイナス5度の中6時間以上オバマの演説を待つ有権者、

新大統領のやることなすことを神のように称えるメディア、

はっきり言って異常だよ。

         

アメリカ国民の反応は間違っている…というより軽すぎる。

ブッシュ政権がもたらした悪政は勿論否定しないが、

同時に星条旗が今どん底を這っている要因には、

騙されやすい国民性が強く影響している。

テレビの消費促進に疑いを持たずに、常に新しい商品

を欲しがる。

経済に行き止まりが見えた時に、クレジットカードの審査

を甘くして前倒しで消費を回そうとした政策も、何の疑い

も持たずに乗った。

サブプライムもそうだ。誰がどう考えても破綻が見えて

いる詐欺商法を、世界中で売りさばく手伝いを、米国民

は自ら買って出た。

星条旗を背景にテロとの戦いと叫べば戦争待望するし、

欲しいものはとりあえず手に入れる国民性が、

今日のアメリカを織り成す成分の大半なんだ。

軽すぎる。

日本国民に言われちゃおしまいだろうが、

アメリカ有権者、消費者は日本に輪をかけてスカスカ

なんだよ。

      

国民を意のままにコントールして、労働者をロボット化

する。搾り出された利益は支配層の中だけで分け合う。

これが日米型資本経済だ。

日本人も随分とやられたし、今少しずつそれに気がつい

て戦う連中が増えてきている。

不落の自民党城が傾いてきているのもそれが原因だ。

だけど本場のアメリカは、まだその流れが起きていない。

オバマが目指すのは、経済に関しては同じ路線だし、

実はブッシュと言っていることはあまり変わってない。

石油利権の為の殺戮のフィールドを変更したくらいの

ものだろう。

彼はまだ何一つ希望を見せていないのだ。

にも関わらず、メディアに乗っかって有権者は無条件

の英雄に仕立て上げちまう。

彼らもまた、何も変わっていないのさ。

       

         

踏まえて日本にワープしよう。

アメリカも日本も、生まれ変われるかどうかみたいな

議論になっているけど、いい加減メディアは真実を

伝えるべきだよな。

テレビでも新聞でもいい。

民放は‘企業への配慮’で無理なら、せめてNHKが

真実を伝えるべきだ。

世界はもう変わったのだ。

かつてのようなシステムでの繁栄は望めない。

節制の中で安心を与えていくプログラム、

お金はないが幸福度を高めていくレールで、

これから地球は推移していくのだ、と。

それを認めたくない経済界は、既得権確保に必死だが、

いかにトヨタやキャノンでも地球の自転には逆らえない。

一番はじめに誰が言うのだろうか。

GDP成長がそんなに大事なの? ってな。

新自由主義がおれたちにもたらしたものは、

一部の人間には途方も無い内部貯蓄を、

それ以外の人間は、人間としての尊厳と誇りを奪われ

た変わりに、金属みたいな声でイエスと答え、自分より

も弱いやつを陥れて安堵する最低な社会だけだった。

WE CAN CHANGE。

確かにそうだ。

おれたちは変わらなくちゃいけない。

一瞬の奇跡的輝きでしかない人生を、人として生きれる

社会に変えるためにはね。

世界一の愛国心を持つ日本だけど、

お国のために尽くしすぎてもうボロボロなのさ。

あんたの親父とお袋、奇跡が二つ重なって、その中の

更なる奇跡であんたが生まれたわけだろう。

そんな素晴らしい偶然の時間を、この国の労働者は

搾り取られるためだけに費やしている。

あんたの息子や娘に、こんな世界で暮らして欲しいかい。

メディアの刷り込みに従順になって仕事が生きがいだと思い

込み、自分がどれだけロボット化しているかを自慢しあう毎

日を送って、弱者同士で潰し合う今のスパイラルに放り込ん

でやりたいかよ。

       

オバマによってアメリカ国民がどう転ぶかはわからない。

うまくいって欲しいが、日本はそれどころじゃないものな。

本当に早く変わらなくちゃいけないのは日本で、

アメリカよりもそれに近いのも、この国なのさ。

         

         

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2009-01-18

スペイン広場の向こうへ 

先日イタリアのトリノ在住のフリーライターの男性が

日本に来て、それのガイドをやってくれないかって

頼まれて引き受けた。

仕事を振ってきたのは会社員時代の同僚だけど、

完全におれを何でも屋と勘違いしていやがるな。

観光じゃなく、ぶらぶら都内を回りながら、

生きた情報が欲しいって話だったんで、

おれも何も計画を立てずに向かったんだ。

考えてどうにかなるものじゅないし、そんなご丁寧な

トリビュートが可能なら、とっくにこの国は浮上してる

だろう。

         

事前知識としては一応入れておいた。

イタリアも日本同様、雇用が不安定で失業者も多い。

治安の悪化も地域によっては懸念されはじめている。

金融危機の直撃は他EU圏に比べればまともだが、

観光による外貨獲得が大きかったことで、

不況に連動してベクトルは俯いたままのようだ。

日本とすごく似ているだろう。

セーフティネットが厚いのと、派遣システムがないんで、

少しばかり向こうの方が希望が多いが、

先進国と言うラベルを貼った地球制服組織の中で、

もはやワースト1,2が定位置になった二国。

一番親近感が沸く国じゃないだろうか。

       
            

待ち合わせは先方の宿泊先も考慮して上野にした。

上野公園の入り口の大階段に朝7時。

サラリーマンが殺気だって行列を作るのを眺めながら

の待ち合わせだ。

おれが着くとすぐにわかった。

階段で立ち止まっている白人が一人。

長身でガタイの良い中年男性だった。

少し色の抜けた黒髪で、面長の土台に、

雑に置かれた目と口のパーツ。

鼻がでたらめに長くて、鼻尻はコンパスみたいに

まん丸だった。

コリッチーニです。

です、のアクセントがやけに強くて面白かったけど、

笑わずにおれも合わせて菊池デスと言ってやった。

笑うと口の両サイドの皺が一段とくっきり現れて、

細長い目は潰れて一本の線になっちまう。

かわいらしいおっさんだ。

同僚の手配した通訳もちょうどやって来て、まさかの

男性。男三人の東京ツアーが確定した。

            

せっかくだからとそのまま上野公園の中に入った。

多分日本で今うなぎのぼりにメジャーな言葉になってるんじゃ

ないかってホームレスや野宿者を、ご案内しておこうと

思ってね。

「ミラノやローマには何度か行ったことがある。

やっぱりイタリアもホームレスが多いが、協会で毎日食料を

配ったりしてるよね。

自治体が定期的に仕事と住所を与えたり。

でも日本はそういうことはしないんだ。

ホームレスの支援は有志のNPOとかの団体がやるだけで、

国や自治体は滅多に救いの手は差し伸べない。

落ちたら終わりの場所なのさ」

通訳はNPOを訳すのに困っていたが、

コリッチーニはNPOでわかると言った。

「来る前に日本に住んでいたことがある友人や、

日本人に聞いて少し勉強してきたんだ。

イタリアの救済体制が十分とはとても思えないけど、

日本は救済しようとさえ思っていないらしいね」

痛いことをさらりと言う。言い方ってものがあるだろうに。

でも日本について勉強したってのは関心かな。

家電が多い。コンビニが多い。満員電車。

そんな表面上の浅い溝をなぞるだけじゃ満足しないって

ことの裏返しか。

「お互いドンケツ争いで大変な国だからな。

参考になる部分があったら言ってくれ。

話を聞きたい時もね。出来る限り交渉するよ。

そういうのは得意分野なんだ」

通訳はあんまりくだけた言い回しをするなって顔

だったが、コリッチーニはありがとうと、今度は

なかなかの発音で言った。

「コリッチーニさん、呼びにくいからコリーで良いかい。

おれもケンでいいから」

小さな目でまた半円を作って、彼は勿論だと笑った。

こんな笑顔が今一番必要だ。

イタリアも日本も…いや、この世界には。

          

            

ブルーシートの数は相変わらず。

いや、秋からこっち、少し増えたかな。

彼らが怠け者なんて大間違いだ。

始発が走るころに既に始業していて、

日が落ちてネオンが灯るころまで働いているのだ。

朝の7時過ぎにテントにいるのは、

金目のものを盗まれないように番をする役目の

やつだけだ。

時代は変わって、いまやホームレスから強盗する

やつらが溢れているからね。

この国はそこまで来ているのさ。

「彼らは日本のホームレスのいちグループだ。

他にもネットカフェを渡り歩くタイプや、簡易宿泊所

みたいなのに入って仕事を斡旋されてるのもいる」

コリーはさほど驚かない。

「仕事を斡旋する人たちもいるんですね」

通訳は多少色をつけているのかもしれない。

勝手に頷いてやがる。

「善意からやってるやつらもいるが、多くは違う。

仕事を派遣会社から大量にもらってきて、そこから

更に法外な手数料を抜いて、一生ぬけられない

軟禁地獄を作って閉じ込めているだけだ。

政府はそれを知ってて黙認しているし、派遣会社

からの莫大な献金のせいで、ニュースでは深刻な

問題になっているにも関わらず、首相はもはや

業界の手先に成り下がっているんだ」

面長のイタリアンライターは、青い瞳に青いテントを

映して、底なしに温度を下げていった。

「派遣制度は恐ろしいものだ。これは世界中の経済

学者が口にしています。

どの国も導入の選択を迫られた。結果日米(正確に

はアメリカは微妙に違って、後はフランスにもパート

みたいな感覚で似たようなものがある)が導入しま

したが、ひどいものです。人間は人間でなくなったの

かもしれません」

人間ではなくなった…か。

だとしたら、おれたちは一体何なんだろうな。

奴隷主義、戦争による支配成長。

この国はどちらの甘い蜜にも惑わされなかったが、

自国の民族から奴隷を生む制度という

甘いシロップたっぷりの金の山には飛びついちまった。

アメリカの要望書による命令を自民党が忠実に

実行したのが原因だが、中毒になって止められないの

は経済界だ。

この国は深刻なドラッグのジャンキーで、

もしも政権が変わって大本が正常化したとしても、

そこから長いリハビリが必要なのさ。

もともと皮算用の蚊帳の外のおれたちには影響ないが、

激変を求められる支配層が、そこまでそれを受け入れ

られるのか。

これに全てがかかっているよな。 

          

      

再び公園の階段に戻ってきた。

ようやく氷みたいになったアスファルトと太陽が

直線を紡いで、光がさしはじめた。

長い階段にも色がついていく。

コリーは体をサーベルみたいに伸ばして、

深呼吸をする。

「ケン、ここは広くて素敵な広場だね」

懐かしむような顔。

「ああ、休日にはこの階段で色んなやつらが

待ち合わせしたり、遠足に来た子供達が点呼

したり、カップルが座り込んで談笑するんだ。

ローマのスペイン広場の階段みたいだろう」

「そうだね。

だけどスペイン広場も最近じゃ平日は人が

減ったみたいだ。どこの国も厳しいからね。

旅行客が減っているのさ。

でも日本人は相変わらずたくさん来ている

ようだよ。円は高いから」

彼は両手でオーケーサインを作って、そいつを

天地反転させる。ゼニのマーク。

どこでそんなものを覚えるんだろうな。

「大丈夫さ。スペイン広場もここも、きっとまた賑わう

ようになる。イタリアにはあんたみたいなやつがいて、

こうして日本に取材に来ているんだし、日本だって、

希望がないわけじゃない。ドン底まで落ちたせいで、

はじめて有権者たちが現実を直視しはじめている。

先進国も常任理事国もどうでもいいけど、最低な矛盾

の中で生きる世界は、確実に終わりに近づいている

と思うよ」

コリーも今度は目を開いて言った。小さな瞳の中からは、

強い力が溢れている。

「私達もベルルスコーニの政策には批判と賛同で

わかれているけど、少なくとも経済政策について

国民が真面目に、そして厳しく見る目を取り戻したん

だ。これは大きいよ。

毎日ニュースでは経済論争が流されている」

「たくさんのクイズ番組と一緒に?」

彼はまた大きな笑い皺を広げて漫画みたいな顔に

なった。

互いに確かな一歩を踏み出しているんだな。

上野の街は暗い世相をコピーペーストしたように

沈んでいるが、おれたち三人はピクニックみたいに

陽気に歩き出した。

置き去りにされたこの下町にも、

そしてスペイン広場の向こうにも、

日の目を見たい新しい命が、ぎっしりと詰まっていて、

おれたちはその未来のために、歯を食いしばって

耐えているのだろう。

春よ来いってな具合にね。

         

          

※コリーとの東京ツアーの続きは、メールマガジンで

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2009-01-14

明日の未来

この星がどれだけの速さと力を持っているのか、

理系の読者なら知っているだろう。

速さは時速1650キロ。

力で言うなら数十兆の生命体に満遍なく熱と

機会を与えるエネルギーを、

ポップコーンみたいに空間が弾けた瞬間から

今日まで維持していることになる。

そんな強くて青い宝石の中で、

自身も懸命に回る円盤がある。

資源はなく、高度文明の歴史も浅く、知恵と勇気で

ハイスピードの回転を続ける小さな円盤だ。

      

本格的に回り始めたのは200年前くらい。

まだスカスカだった世界を描く機械仕掛けの中で、

鉄や石炭で出来た歯車とかち合って、

とんでもない勢いで吹っ飛ばされた。

そのままわき目も振らずに、追い風を受ける

フリスビーみたいに遠心力を保って上昇して、

そして今がある。

何度も地上に舞い降りかけたけど、

その度に新たな力を得て再浮上した。

その力は、ある時は悲しい争いと殺戮。

ある時は素晴らしき加工能力。

そしてある時は、国民達の生きる力。 

60兆という金は、一筋縄で蓄えたわけじゃないのさ。

だけどついに終わりがやってきた。

恒久と信じてきた飛翔も、やっぱり墜落はするのだ。

不時着でも撃墜でもない。

自身の選択によって、当然の結果を受け入れる形で、

今その円盤は、ゆっくりと柔らかな軌道で、

時間のはじまりの地に降り立とうとしている。

       

         

サブプライムの危機予測から大体一年くらいか。

一年前、国内の政治家やアナリストが、口をそろえて

「日本はさほどの影響はない」

と明言していた恐慌の波が、てんで別の理由によって、

より巨大な津波に化けて襲ってきている。

おれが警告を書いた時も、わざわざご愛読いただい

ている誰かさん達から、景気を鈍らせるような無根拠

の記述はやめろってメールがたくさんあったが、

あの人らは今の現状をどう思ってるんだろうな。

対岸の火事だと本気で思っていたのか、

それとも最悪がわかっていて隠したのか。

いずれにせよまだ一年前なら、ダメージの軽減は可能

だったし、今年と来年にこの国で描かれる地獄絵図は、

もう少し色がついたものに出来たのにな。

いつだって割を食うのは弱い国民だ。

       

去年の暮れからすごい数の企業が倒産しているし、

大企業の下方修正の振りの大きさも、さほど驚かなく

なってきただろう。

派遣切りだの給与カットだのに、報道はようやくシフト

チェンジしているけど、既に第一線では、国民生活へ

もっと深刻な直撃を与える段階に移っている。

ここで問題だ。

不況時に一番つらいことは何?

ユーモアのある教授の講義を取っていた人なら、

もしかしたら聞かれたことがあるかもしれないな。

      

一般的な解答になってすまないが、

正解は見えないものだ。

現金でも役職の椅子でもなく、

触れられないもの、見えないもの。

そう、未来や将来が見えないことだ。

給与カットや賞与の未至急は、こういう時勢だから我慢

しようでなんとかなるだろう。

だけど先が見えないことは何より人を不安にさせる。

理由は多分、日本の企業のあり方が起因していると思う。

日本の国の機関、例えば役所や省庁を見ていれば

わかる通り、柔軟性がないに等しいだろう。

予算を決めて、その通りに動いて、予期せぬ自体には

予備費でどうにかなるか考えて、駄目なら翌年度に回す。

役人はあまりにも・・・って声も上がりそうだけど、

民間企業も同じ様なものさ。

臨機応変の対応が実に下手だ。

一年という物差しを基準にしか出来ないし、

目盛りのない長さは測れない。

だから不良債権も対してないのに、

自国の脆弱性を放っておいて、そのツケを必死に

払っているわけだろう。

偽りの民主主義だってことを、自らの手によって

世界中に証明しちまったってことさ。 

         

話を戻そう。 

先が読めない状況は、はっきりと手に取れる場所に

迫ってきている。

おれが関係している業種の例で紹介していこう。

      

不動産グループM 
4月以降の新案件の七割をキャンセル。
現在進行中の案件も、住宅取得特別減税の適用を
待って裁いてしまう予定だが、リサーチでは1割程度
しか売れない見込み。

      

自動車販売代理店A
新車は次々とリリースされているが、新規購入の激減
から、在庫は抱えず契約毎の納品にチェンジした。
原価が変わるが、在庫を抱えたまま潰れる可能性も
大いにあった為、苦肉の策。
尚、来年度の営業方針は、現段階でも全く未定。
精神論的な目標を続けたせいで、社員の疲労も顕著
に出ているとのこと。

      

薬品メーカーS 
医者にかかる人数、薬局での薬の売れ行きが
かなり減っているらしい。
派遣切り等の場合、保険証の期限も切れる(派遣会社
独自の保険から国民年金へ変わることが多い。この
派遣会社保険も悪意の塊みたいな制度なんで、近い
うちに詳しくレクチャーしよう)為、純粋に医者にかかれない
人が増えているのかもしれないが、これだけ風邪が流行
しているのに、薬の売れ行きは悪いというのは、
節制の影響だとの見解みたいだ。
病になっても薬が買えない。
センシンコクって何だろうな。

      

通信キャリアN 
年が明けてから新たな案件が激減。
ほぼ発生していないというくらいとのこと。
勿論4月以降は白紙。
通信は設備投資の指標になるから大事だ。
設備投資が低迷・・・じゃなく、事実上限りなく0に
まで振り切れているってこと。
あれだけ
「競争力の為に設備投資が優先。結果労働者の
幸福に繋がる」
とほざいた経済界だが、結局還元はせずに、
人件費を切って、設備投資も止めちまうらしい。
・・・言葉もない。

         

度々登場の古巣の有名商社
2月以降体の空いている人間が社内に溢れている。
ずばり仕事がない。
経済が回らないのだから、商社のやることは限られ
てくる。
人件費カットは組合との関係でまだないだろうが、
企業としては運用による業績悪化を少しでも改善
することだけに終始しているそう。
これはこの業種だけに限ったことじゃないだろうけどね。
いきなり株を分割発行したメガバンクもそうだし、
どこも目先の数字の帳尻を合わせることで頭が一杯
なんだよ。
日米型資本主義を神のように崇めて、
散々労働者を馬鹿にした思想をシャアシャアと刷り込
んで来た稀代の申し子達が、
結局最後にやることは見た目だけの整形手術と
ギャンブルだぜ。
本当、救われない話だろう。

       

総じて言えるのは、先が見えないこと。

だから誰もが不安になっている。

予算を決める時期だけど、一体何を基準に決めれば

良いんだい。

そもそも去年のビッグウェーブのダメージさえ読めなか

った連中が、未体験の危機にどう対処するのさ。

アメリカももう形振り構わず、日本を本気で下敷きに

しようとしているし(債券評価を握られているし、露骨に

その人質を晒すようになったな、おっかないよオバマは)、

年次要望改革書には、命令ばかりで道しるべ的なも

のはもうなかったからね。

今までただ従ってきただけのロボットが、

急に自分の意思で動けと言われても、そう簡単には

いかないことは理解できるだろう。

          

回転が止まりかけている。

原動力だった新自由主義の高炉が崩壊して、

もう回転する力が残っていないのだ。

それでもまだその力に縋ろうとする政治家と資本家、

新たな動力源を模索しようと思い始めた国民。

二つの思惑を乗せて、緩やかに円盤は不時着先を

探しているのさ。

      

最後に、見えない先に何があるのか。

闇の先に何があるの。

おれは無責任なコメンテーターと違って、

ちゃんと自分の考えを言っておこう。

三流の意見なんざ不要だろうけど、

恐慌を外したテレビを賑わす学者よりはまだ信用できる

だろう。

じゃあ早速答え。

それは戦いだと思う。

この国で近い未来に、かつてないほどのシビルウォー

が起きるとおれは考えている。

かつての栄光、磐石な支配体制への未練が捨てられ

ない支配層と、どれだけ自分達が虐げられてきたのか

を知ってしまったその他国民とが、真っ向から激突する。

そのファーストラウンドが、次の衆院選挙だろう。

無血とはいかないかもしれない。

銃もパトリオットも登場シーンは用意されていないが、

それでも犠牲者はどんどん出るよ。

既に数え切れない数の連中が、

家を失って街に溢れているじゃないか。

三桁の人間の個人資産が兆を超える為に、

今まで一番犠牲になってきた連中が、また真っ先に

冷たいコンクリートに馴染んでいくんだ。 

犠牲者はどう考えてもこれからどんどん増えるだろうし、

責任者である政府や経団連が同じ目にあうことは

絶対にないんだ。

      

ニホンハダイジョウブ、ショウヒイヨクガオチルカラ

ケイキアッカハホウドウスルナ。

近い将来、動力を変えるための内戦がある。

       

どっちを信じるか、それともどちらも正解ではないのか。

それはあんたがジャッジすることだけど、

ひとつ間違いないのは、もう知らないフリは許されないし、

これ以上この国に逃げ場はないってことだ。

エスケープするなら、もうそこは果てのない海さ。

               

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2009-01-13

情報色々

昨日の夜にやたらと色々情報が来たんで、

ネタに出来なかった情報とあわせていくつかどうぞ。

   

       

自民党内で定額給金が邪魔くさくなっているらしい。

結局自民票には繋がらなかったのに、言い出したから

やらなきゃいけないという足かせになって、

取り下げて介護施設や職を失ったやつへ回して、

それをニュースで報道したほうがイメージアップになる

っていう意見が多いが、肝心の総理は聞く耳持たずで、

意固地になっている。

もうやらざるを得ないという状況で、モチベーションなき

作業になっている。

大体の選挙目当てのイベントは、政治家かバックボーン

か有権者か、必ず誰かが得するものなんだけど、

今回の定額給付金は、三者全員が損をするという

珍しいパターンだ。

      

   

ユニクロやH&M、イオンなんかが不況を利用して

業績を伸ばしていることが注目されているけど、

おれも独自で取材して見つけたところがある。

KALDIっていうコーヒーの店で、

ショッピングモールなんかに店舗を入れて、

コーヒー豆や洋菓子、バターやジャムなんかを扱ってる。

業種はいわゆる輸入小売店なんだけど、

ヨーロッパの繁華街にありそうな店の雰囲気で、

見ているだけでもお洒落で楽しいんだ。

だけど注目するべきはそこじゃなくて、

この店はコーヒーの試飲をやってるんだけど、

これが実に面白いんだ。

試飲なのに紙コップいっぱいにうまくて熱熱々のコーヒ

ーを注いでくれて、食後のブレイクにはじゅうぶんな程。

しかも味も抜群にいけてる。

欲しい人には満遍なくくれるし、もらいづらい雰囲気も

ちっともない。

だけどそのコーヒーをもらう為のルールが一つだけ

あって、それがこの会社を成功させたと言っても

過言じゃない。

それは

【コーヒーは必ず店内で飲むこと】

だ。

もう言わなくてもわかるだろう。

熱いコーヒーを飲み終えるには、早くても5分や10分は

かかるだろう。

その間、店内で商品を見ながら闊歩する。

これがもたらす効果は実に相乗的だ。

まず最高にうまいコーヒーを片手にしながら、

一緒に食べたら絶対にうまいビスコッティや菓子が並び、

パンにつける色んなジャムがあったら、あんたならどう

思う。

その通り、自然と買いたくなっちまうのさ。

これが効果1。

次に客一組あたり店舗滞在が5分以上となると、

店はどうなるかな?そしてうまいコーヒーが無料で配ら

れる店先は?

イエス。店はいつも流行っているように見える。

レジも店内も入り口も、いつも賑わっている。

効果2だ。

そして最後に、宣伝効果。

ショッピングモールに入っているってことは、

上層階には飲食店が並んでいる。

そこで食った人らは、そのまま買い物をして帰るって

パターンも多いはずだ。そこであんたの連れが思い出す。

「KALDIっていうお店がコーヒーをただで飲ませてくれる

んだって」

こういう得だけがある噂はスピードも早いし、

こうしておれが書いているのも宣伝になっちまう部分も

あるだろう。

不況だからこそあえてくれてやる精神。

なかなか面白い試みだろう。

       

       

リライズっていう少年グループが、都内の中高生の

間で噂になってる。

(昨年学校サイトを賑わせたホワイトバードとも違うよ)

奥様方に言わせれば不良グループなんだろうけど、

やつらはもはや都心部で絶滅寸前の暴走族やギャング

とは全然違う。

誰も傷つけないし、いじめやカツアゲなんてダサいこと

もやらない。ドラッグなんかとも無縁だ。

代わりにビジネス的なネットワークを持っている。

そのネットワークは子供にとっての夢の検索エンジン

なんだ。

例えば学校で読書感想文の宿題が出たとしよう。

でもバイトが忙しくてとても書けそうに無い。

そんな時に読書感想文の発注をする。

すると可も無く不可も無い程度の、丁度いい具合の

感想文が原稿用紙10枚分データで送られてくるのだ。

他にも明日の野球部の対戦相手のキープレイヤーや、

街で見かけたかわいい女の子の通う学校名と学年なん

てことも教えてくれる。

そして不作為に集められた生徒同士での合コンなんて

のも開かれているんだ。

全ては登録者達のわずかな会費で成り立っていて、

胴元が誰なのかはわかってない。

(たぶんすぐたどり着くんだろうけど)

やつらが善悪なんて知らないし、そんなものは誰かに

勝手に言わせておけばいいことだけど、

子供達の発想はすごくやわらかく、そしてたくましくなって

いるのかもな。

まだコンタクトも何もしてないけど、チャンスがあれば

中へ入って、レポートを書きたいね。

      

          

今年に入ってからまだ日本経済としては一週間ばかりし

か活動していないけど、年を越せなかった企業が推計

で七百社あるんだと。

12月1日には存在して、1月11日にはなくなっているか

再生法適用しているか、経営者が飛んでいるかしている

企業がそれだけあるそうだ。

経営者も気の毒だが、大事なのはそれだけの人間が

この何でも飲み込んじまう経済の下敷きになっていって

るってことだ。

      

      

外資系企業の近況だけど、名前は風説の流布だか

なんだかで書けないけど、リーマンに続いて某金融大手

がやばい。

もしも飛んだらリーマンの比じゃないくらいの

打撃と津波が世界中を数週リレーするだろう。

不良債権を抱える部門だけ切り離すか、どっかに

ヘルプを求めるかなんだけど、残念ながら本社を

抱える国は助ける体力がないとのこと。

外資系の大企業には昨年から霞ヶ関から色々足かせを

つけられていて、それをクリアーしないと優遇が受けられ

ないようになっていたんだけど、そのピンチの企業は、

未だにそれをクリアー出来ていない。

ライフポイントは赤点滅しているのかもな。

       

         

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2009-01-12

貧困ビジネスこそおいしい

先週、おれが過去に勤めていた会社の営業や企画連中を

相手に、中規模のセミナーがあった。

内容は金のなる木について。

もっと複雑なタイトルがついていたけど、要約すると

そういうこと。

   

公演者は三人で、これが実に面白い。

資格取得支援をやってる会社の社長。

派遣会社の営業部長。

そして小さな部品製造メーカー。

やつらはあることに注目したおかげで、出世をした。

それは何だと思う。

答えはセミナーの中で三人が共通して言っていたよ。

「貧困ビジネスこそ今求められている」

ジョークじゃないよ。これは現実の話だ。

セミナーの後、公演者らを含めた10人程度で飯を

食う場があって、酒を勧めながら色々聞き出したよ。         

         

         

資格取得支援をやってる社長。

「派遣社員や仕事を解雇になった者は、とりあえず資格

を取ろうとします。それに応え、彼らが求めるものを用意

してあげるのです。

実際には即就職に役立つような資格なんて、ちょっとや

そっとで取れるものではないですが、彼らはそんなことは

気にしていません。何かを取ったという事実が欲しいだけ

で、それで満足するんですよ」

         

派遣会社のやつ。

「派遣会社を槍玉にあげる傾向がありますけどね、

あれは絶対間違ってますよ。

日本人ならまず日本のためを考えるのが当たり前で

しょう。

本来仕事のないものに仕事を与えることが出来るし、

企業にとっては安くて便利な人足の提供が出来る。

日本が長期の好景気を迎えた要因のひとつが派遣

会社だということを忘れてもらっては困るよ」

      

       

部品メーカー。

「私は仕事ごとに細かく人件費を決めて、必ずそれ

いかに抑えました。日雇い派遣を決められた数だけ

発注して、その仕事が終わったらすぐに切る。

これを続けた結果が、今日にある。

日本の企業が伸びていく道が私のやり方の中に

あると思いますよ」

          

    

ニュースとは裏腹。

経済界はまだまだこういうことで回っている。

一度手にした甘い蜜はなかなか手放せないのだ。

貧困ビジネス。

もはやその言葉が恥ずかしいことでも、ネガティブな

ワードでもなくなっているのだろうか。

弱者を更に貶めることで金を生むことは、

この国にとってはもはや正義になりつつあるのかも

しれない。

勝手に日本のためとか、ビジネスの鉄則とか、

自分で自分を洗脳することによって、

黒いものを白く見るのが当たり前になっちまっている

のだ。

自分が弱者の立場になっても、同じことは吐かないく

せにね。

          

派遣社員だけじゃない。

しわ寄せを一番くらっている中小企業の正社や

個人商店もひどい有様だ。

業種としても破綻は進んでいる。

農家、漁業、出版、音楽、建築、不動産、自動車、

そして裏家業の人たちも…。

日本は何もしてこなかった。

全部をアメリカの命令に従ってやってきて、

政治家や役人は何もしないのが仕事だっただろう。

だからいざ星条旗とドルの価値が急落しちまうと、

自分達は何をしていいのかさえわからなくなる。

経済界はここぞとばかりに好き勝手をやり、

日本はどんどん悪化しているよ。

      

その証拠ともなる残酷で恐ろしいデータをひとつ提供

して、今日は終わるよ。

ここ数ヶ月、派遣制度について見直されるニュースが

続いているだろう。

それに伴って動きもたくさん出ていて、あたかも日本は

前進しているかのように報道されているが、実は違う。

何故なら、

【未だに派遣会社への登録者は、増え続けていて、

2008年12月も、やはり記録を更新している】

から。

 

日本を立て直すには、法律や外交や国民意識も必要だ

けど、それ以前に一番肝心なものがあって、それが解決

されない限りは、何も始まらない。

それは、資本家達の今を捨てる覚悟さ。

この国は上位数百名が国全体の財産のほとんどを握っ

ている、世界一の富の一極集中だ。

その金がある程度平等にいきわたる仕組みが出来れば、

全てが解決するんだけど、残念ながらそうはいかない。

富を持っているやつがルールを司る側にいるからだ。

ということは、最後には彼らの善意に委ねるしかないって

ことだ。

崩壊していくこの国の光景を見て、彼らだって思うことは

あるはずだ。

上位三百名が千億を越える資産を持ち、上位百名は

兆も超えている。

そして永田町と霞ヶ関は、彼らをより儲けさせるためだけ

に存在しているのが現状だ。

おそらく次の選挙で、これを打破する切欠は作られるだろう

けど、そこからが長い戦いの始まりで、最終的には支配者

たち自身の手によって、新しい時代の門を開けてもらうしか

ないのさ。

貧困ビジネスが正義であるなんて、悲しい台詞が聞こえない

世界にするためにはね。

          

            

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